林芳正官房長官は10日の記者会見で、サウジアラビアで国政を取り仕切るムハンマド皇太子が20〜23日に公賓として訪日し、岸田文雄首相との会談や天皇陛下との昼食会を行うと発表した。ムハンマド氏の来日は、2019年の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の際の大阪訪問以来、約5年ぶり。

 林氏は「中東地域および国際社会が複合的な問題に直面する中で、平和と繁栄の実現に向けて緊密に連携していくことを確認する」と述べた。17年3月に当時の安倍晋三首相とサルマン国王が策定した「日・サウジ・ビジョン2030」を踏まえ、脱炭素など経済分野を中心に協力を深める。また、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続く中東情勢についても意見を交わす見通しだ。(高橋杏璃)