高知県と高知市は、飼い主のいない犬・猫の保護や希望者への譲渡をする「動物愛護センター」を高知市高須に新設する。県は14日、基本設計などに必要な予算(4095万円)を盛り込んだ総額8646万円の一般会計補正予算案を発表した。

 新施設は、高須浄化センター(下水処理場)内の県有地に建設し、2027年度の完成を目指している。延べ床面積約1500平方メートルの平屋を想定。譲渡のため新しい飼い主と触れあう「マッチングルーム」や、不妊去勢手術をする設備を併設する。動物愛護に関した情報を発信する「展示・学習スペース」も設ける。殺処分は基本としておこなわない。

 動物愛護センターを巡っては、18年に県と市が設置することで合意。21年度の供用開始を目指して20カ所ほどの候補地を検討したが、津波浸水地域外とする要件や周辺住民の理解がネックとなり難航していた。譲渡などを基本とする動物愛護センターの整備は全国で進んでおり、四国4県では高知だけなかった。

 浜田省司知事は14日の記者会見で「譲渡会をはじめ動物愛護の拠点施設の整備は全国的な流れだが、地元のみなさんの理解が得られず先に進めないことが続いていた。殺処分ゼロを目指していく大きな時代の流れのなかで拠点となる施設を早く整備していきたい」と話した。

 設計費のうち700万円は国が負担し、残りは高知市と折半する。予算案は、21日に開会する県議会定例会に提出する。(羽賀和紀)