新潟県内の2023年度の企業倒産(負債額1千万円以上の法的整理)が、計100件に上ったことが、帝国データバンク新潟支店の調査でわかった。前年度から30件(42.9%)増え、比較可能な00年度以降で最も多かった。同支店は原材料価格の上昇などによる収益の悪化が一因となったとみている。

 100件の負債総額は186億2500万円(前年度比18.3%増)で、2年連続で増加した。業種別の倒産件数は、小売業が最多の25件で、建設業(21件)、製造業(20件)と続いた。建設業は前年度の7件から3倍に増えた。

 同支店は背景に、実質無利子・無担保で融資する国のコロナ対策「ゼロゼロ融資」の返済が本格化したほか、原材料費やエネルギー価格、人件費などのコストの増加が企業収益を圧迫していると指摘。運輸業や建設業では、残業規制強化による「2024年問題」への対策も迫られているという。

 人手不足を背景とした人件費の増加は、今後も進むとみられる。同支店が3月にまとめた意識調査では、県内企業の63.8%が24年度に賃上げの見込みがあると回答(対象491社、回答率53.0%)。こうした回答をする企業の割合としては、比較可能な07年度以降で最高だった。

 同支店の担当者は「日銀のマイナス金利解除で金利上昇の環境は整いつつある。過剰な債務を抱えた企業に人手不足が重なって事業継続をあきらめるなど、24年度も企業倒産は高水準で推移する可能性が高い」と話す。(初見翔)