四国の昨年の宿泊客がコロナ禍の影響がなかった2019年を上回り、現在の方法で統計を取り始めた11年以降では最多だったことが、観光庁の宿泊旅行統計調査でわかった。

 宿泊客数は1456万8千人泊で19年を0・4%上回った。全国(19年比0・5%減)に比べても、回復が進んでいる。県別では愛媛465万3千人泊(19年比6・1%増)▽香川422万7千人泊(同9・3%減)▽高知342万9千人泊(同18・1%増)▽徳島225万9千人泊(同12・1%減)。

 宿泊客増の原動力となったのは高知だ。NHK連続テレビ小説「らんまん」の舞台となった効果が大きく、大幅な伸びとなった。愛媛も旅行支援で道後温泉の宿泊施設などが好調だった。半面、香川、徳島は減少した。香川は19年に瀬戸内国際芸術祭が開かれた反動とみられる。

 このうち、外国人観光客は90万4千人泊で19年を25・7%下回った。全国では19年比1・1%減だったため、四国は回復が遅れている。

 客室稼働率は54・3%で19年を0・8ポイント下回った。全国平均の57・4%と比べても低い。

 四国運輸局観光部の担当者は「宿泊客が最多だったのは、新型コロナの感染症法上の位置づけの5類移行や全国旅行支援が半年ほど実施された影響ではないか。コロナ禍で離職が相次いだ影響で低くなっている客室稼働率の改善が課題だ」としている。(福家司)