ころころとした「木たまご」は1800個……。そのたまごを満たしたプールが園児らに披露された。子どもたちは潜ったり感触を確かめたりして、「本物の卵みたい」「気持ちいい」と笑顔を見せた。滋賀県彦根市立ふたば保育園(金剛寺町)に寄贈された木たまごのプール。「木育(もくいく)」が目的の一つだ。

 木育は、幼い時から木材や木製品に触れ、木材への親しみや木の文化への理解を深めてもらう取り組み。県は2017年にウッドスタート宣言をした後、「つなぐ『しが木育』指針」を策定し、木育拠点施設の整備をすすめている。

 今回の木たまごのプールを寄贈したのは、エレベーター大手の「フジテック」(滋賀県彦根市)でSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みの一環。やむをえず伐採した敷地のシラカシの木に、林業関係者でつくる「東近江市あらゆる場面で木を使う推進協議会」が県産材を加え、加工した。

 たまごは手のひらに収まる大きさ。木の香りが漂い、リラックスもできそう。隣の米原市の認定こども園にも同様のプールが贈られた。

 ふたば保育園での贈呈式が8日にあり、和田裕行市長も出席した。フジテックの原田政佳社長は「手塩にかけてきたカシの木が形を変え、継続していく」と述べた。

 東近江市あらゆる場面で木を使う推進協議会は「琵琶湖源流の森 あらゆる場面で木を使うプロジェクト」などを展開する。企業で処分される木を記念品や木の玩具などに有効活用するプロデュースも請け負う。問い合わせは協議会(090・7963・9318)。(藤井匠)