山梨県が郡内地域の織物産業振興策として地元と製作や普及に取り組んできた「山梨の夏服」の愛称とシンボルマークが決まった。愛称は「かいくーる」、マークは水色の織物模様の富士山。6月から一般販売されるシャツ類のブランドタグや商品ラベルに使われる。

 愛称とマークは県が1〜2月に公募。全国から寄せられた作品から、官民でつくる普及促進協議会が審査して選んだ。

 愛称は県内や東京、大阪などから939点が応募。甲府市の田辺新造さんの「かいくーる」が最優秀賞に選ばれた。甲斐(かい)とクールの組み合わせで「涼しさをイメージでき、分かりやすく親しみやすい」と評価された。

 シンボルマークは県内を中心に132点が応募。千葉県柏市の東洋平さんの作品=写真=が最優秀賞に選ばれた。織物をイメージした模様の富士山が通気性の良さや快適さも感じさせるなど「山梨県らしさと山梨の夏服をうまく表現している」と評価された。

 「山梨の夏服」は2022年度、伝統的な織物産地である郡内地域の地場産業振興策として、県と地元の富士吉田市、県絹人繊織物工業組合が協力して試作した。現在は6月の一般販売に向け、同組合を中心に県内4社が計14種類のデザインでシャツやシャツブラウスを製作中。郡内産の生地で県内業者が作る「オール山梨の夏服」として県もPRに力を入れる。(吉田耕一)