愛媛県警の捜査や捜索などに協力する警察犬の嘱託書交付式が22日、今治署(今治市旭町1丁目)であった。シェパードとラブラドルレトリバー計5頭が今年度の嘱託警察犬に選ばれた。大地震など災害時の捜索でも活躍が期待される。

 5頭は「足跡追及」の2頭と「臭気選別」の3頭で、2歳から9歳までの雄と雌。いずれも今治市内の飼い主が、訓練士に警察犬としての指導をしてもらった。

 同市内のバレエ教師、山口美佳さんは5頭のうちクロード号(ラブラドルレトリバーの7歳)とジーナ号(シェパードの4歳)の飼い主。クロード号は生後6カ月から訓練を受けた。2019年から4度目の嘱託で、警察犬の大会で1位になったこともあるという。

 山口さんは「大きな地震があったばかりですが、今後のもしもの時に活躍してくれると思います。けがなく長生きしてほしいですね」と話した。

 この日の式典には若葉幼稚園(今治市北宝来町1丁目)の年長組の園児約50人も参加。飼い主らに嘱託書が手渡された後、警察犬のデモンストレーションがあった。園児が握った布の小片を約5メートル離れた台に置くと犬はすぐに嗅ぎ当て、子どもたちは大きな拍手を送った。

 瀧屋永愛(えめ)ちゃん(6)は警察犬を初めて見た。「大きくてすごくかしこいなと思いました。家に猫1匹がいるけど、犬も飼いたいな」と話した。

 今治署によると、県警には直轄警察犬2頭のほか、嘱託警察犬14頭がいる。嘱託警察犬は日頃は一般の飼い主のもとで生活し、事件や事故などがあると出動を依頼される。(堀江泰史)