町職員へのハラスメントの責任を取って愛知県東郷町の井俣憲治町長(57)が提出した辞職願について、町議会は26日、臨時会を開き、辞職に同意した。5月2日付での辞任が正式に決まった。

 26日午前の臨時会では、井俣町長から提出されていた「一身上の都合により東郷町長の職を辞職いたします」と書かれた辞職願が読み上げられ、簡易採決で町議たちは同意した。同日午後、議場であった閉会式で井俣町長は、一連の問題について「痛恨の極み」とあいさつした。その後、報道陣への取材にも応じ、辞職の同意の瞬間について「謝罪、町民への感謝など色々な思いが交じった気持ちがあった」と答えた。今後の方針については「何も考えていない」と繰り返した。

 次期町長選は町議長から町選挙管理委員会に辞職が通知され、その翌日から50日以内に実施される。

 町が設置した弁護士による第三者委員会は今月22日、108人の町職員が井俣町長からパワハラやセクハラ、マタハラなどのハラスメントを受けていたとする報告書を提出。その結果を受け、25日に記者会見した井俣町長は「町の未来、町民の幸せ、町職員が静かに仕事ができる環境を整えたい」などと述べ、辞意を表明していた。