離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の導入などを柱とする民法改正案の廃案を訴えるデモが8日夕、国会前であった。雨の中、全国から約400人(主催者発表)が集まり、「共同親権、強制するな」などと声を上げた。

 子どもを連れて別居・離婚したひとり親や弁護士らが参加する「離婚後共同親権」から子どもを守る実行委員会や#ちょっと待って共同親権プロジェクトなどが主催した。

 改正案は衆院を通過、現在は参院で審議が始まっている。北海道函館市から駆けつけた柳順也弁護士はマイクを手に「共同親権はDV(家庭内暴力)加害者とかかわることを強制され、疲弊していく(同居)親を子どもが身近に見ていかなくてはならない制度」と批判。「家庭裁判所の人もものも足りない現状では廃案にするべきだ」と訴えた。

 改正案をめぐっては、DV被害者や子どもを守れないのではないか、父母間の紛争がより深刻化するのではないかと懸念する声がある。また、子どもが意見を表明する権利が条文に明記されていないことを問題視する声もある。デモには、立憲民主や共産など野党の国会議員のほか、地方議会の議員らもかけつけてマイクを握り、共同親権制度の問題点を語った。

 主催者によると、共同親権に反対するオンライン署名も23万筆を突破し増え続けているという。(編集委員・大久保真紀)