島根県雲南市議会は30日、児玉幸久市議(57)=無所属、1期=が同日付で辞職したと発表した。児玉氏は「一身上の都合」として辞職願を提出したが、朝日新聞の取材に、辞職理由は地元の自治会費約270万円などの私的流用が発覚したためと明らかにした。

 児玉氏によると、地元自治会で会計を担当した2022〜23年度、自治会の口座から複数回にわたって現金を引き出し、計約270万円を私的に使ったという。

 また、所属する会派でも会計を担当していたが、自らを含む3人の積立金(月3千円)が入金されていた口座から現金を引き出していた。一部は会派で使われたが領収証が残っておらず、17万4千円が私的流用だったと会派内で判断された。ともに家族が返済したといい、会派は刑事告訴はしないという。

 児玉氏は取材に「借金の返済があり、ちょっとの間お借りして、と思った。すぐ返そうと競馬にも使った。考えが甘かった。私の至らぬところで申し訳ない」と話した。

 児玉氏の辞職で市議会は欠員2となったが、補選は実施されない。(中川史)