4月28日に行われた衆院東京15区での補欠選挙では、支援した候補が惨敗。小池百合子都知事は深刻な政治的ダメージを被ったはずが、7月の都知事選での再選は安泰という。

 都政関係者が解説する。

「小池さんは、昨冬の江東区長選で都民ファ推薦の候補を当選させ、年明けの八王子市長選でも自公推薦候補を応援して勝利に導きました。続く東京15区で3連勝を飾り、その勢いで7月の都知事選における3選につなぐ狙いでした」

 が、衆院補選の1週前に行われた目黒区長選では、彼女の支援候補がまさかの敗北。持ち前の“神通力”の陰りを指摘する声もある。

「小池さんの動員力の低下は一目瞭然。以前なら、彼女が街頭に立てば1000人以上の聴衆が足を止めて耳を傾けた。それが、最近は多くて300人ほど。かつての熱気は、すっかり過去のものになりつつある」

“出馬自体が危うい”という声も

 背景には、いまだにくすぶる小池氏の学歴詐称疑惑が。最近も、都民ファ東京都議団で政務調査会事務総長を務めた元側近の小島敏郎氏が、彼女の“ウソ”を告発した。

「小島氏は次期都知事選の際、小池さんが選挙公報のプロフィールに“カイロ大卒”と記載すれば“公職選挙法違反で刑事告発する”と宣言。小池さんは記載すれば告発されますし、しなければ“学歴詐称を認めた”と見なされかねない。それだけに、小池さんには“出馬自体が危ういのでは”との見方も出ています」

 当のご本人は、出馬を強行する腹積もりとされる。

 政治部デスクが指摘する。

「カイロ大学は国立の教育機関。エジプト政府と一体の関係で、日本の捜査機関の手が及ぶ事態は極めて考えにくい。よって、学歴詐称疑惑は選挙の争点にはならず、彼女が出れば勝つ状況に変わりないでしょう」

元凶の一つが立憲民主党

 実績のないトップが居座る都政は、次期宰相候補が不在の国政に通底する。それを許す元凶の一つが、まともに存在感を発揮できずにいる立憲民主党だ。

 立民関係者が振り返る。

「4月上旬、立民の手塚仁雄都連幹事長は野党の都知事選候補者選定委員会で“知名度の高い男性が意欲を示している”と豪語しました」

 その男性とは、松下政経塾OBで、元京都芸術大学副学長の本間正人なる人物。

「お世辞にも“知名度が高い”とは言えず、さすがに出席者から“誰?”“こんな人じゃ無理”とダメ出しが相次いだんです」

出席者には諦めムード

 ならばと委員会は女性候補を検討したが、やはり議論は定まらない。

「都知事候補の“常連”である蓮舫参院議員は、衆院東京26区への鞍替えが内定しており、塩村文夏参院議員は名前が挙がった途端に“器じゃない”と一蹴された。出席者はあれこれケチをつけるばかりで……」

 今月1日、改めて開かれた委員会後、手塚氏は「候補者を5人以内に絞り込んだ」と明言した。

「その中には、擁立が見送られたはずの本間氏や蓮舫氏の名も。党の求心力やリーダーシップの欠如を目の当たりにし、出席者には諦めムードが漂いました」

 都民ファ関係者もあきれ顔。

「小池さんは知事選に関して自民党の萩生田光一都連会長と握っており、公明党とも良好な関係にある。自公の支援は確実で、3選はますます堅い。ご本人も先の敗戦なんか、どこ吹く風。ケロッとしてますよ」

 これがホントの鈍感力。

「週刊新潮」2024年5月16日号 掲載