今季のスーパーフォーミュラ開幕戦ではデビュー戦ながら、見事に17位完走を果たしたJujuこと野田樹潤。日本人女性初、そして現役女子高生レーサー(3月で卒業)として国内最高峰カテゴリーに参戦したことから、モータースポーツ界だけでなく話題となっているJujuが今週末に開催されるフォーミュラE 2024 Tokyo E-Prixを前に、DHLのアンバサダーに就任。その会見の場で、今季はスーパーフォーミュラと並行して、『BOSS GP』にシリーズ参戦することを明らかにした。

「モータースポーツで活躍するDHLの一員になれるというのは、ドライバーにとって憧れだと思います。世界で活躍するグローバルな企業に声をかけていただいたということは本当に嬉しいことで、自信にも繋がりました。今年参戦する日本最高峰のスーパーフォーミュラで、しっかりと実績を積み重ねて、ドライバーとして成長したいと思っています」とDHLの会見で、アンバサダー就任の感想と今季の目標を述べたJuju。

「今年は、スーパーフォーミュラと、ヨーロッパでもいくつかのレースに参戦します。自分にとってすごく大きなチャレンジになりますが、しっかりとベストを尽くして楽しんでレースをしたいと思います。そして、将来的にはフォーミュラEやF1を含めた世界選手権に参戦したいとおもっていますので、ぜひ応援をよろしくお願い致します」と続けた。

 気になるヨーロッパのレースについて、会見ごのカコミ取材で詳細を聞いた。

「メインになるのはスーパーフォーミュラなのですが、レギュレーションによって(レースウイークやテスト以外で)練習ができません。ですので、スーパーフォーミュラのマシンと同じようなFIA F2規格のマシンを使って、練習のためにもレースに参戦するというかたちです。BOSS GP(ボス・グランプリ)という名前のレースで、一戦だけスーパーフォーミュラと被ってしまうのですが、それ以外の大会は全戦出る予定です」

 BOSS GPとはBig Open Single Seaterの略で、ヨーロッパのサーキットを中心に古いF1マシンやGP2、インディカーやF3000といった旧車のフォーミュラカーで参加するレース。かつてのF1ドライバーからやアマチュアまで、さまざまなドライバーが参戦しており、F1の前座として開催されることもある。今季はフランスのポールリカールやドイツのホッケンハイム、ニュルブルクリンクなどで8大会が予定されている。

 今年のスーパーフォーミュラは年間7大会、テスト2回のみの走行で、18歳のルーキーのJujuにとって、たしかに走行距離が少ない。BOSS GPの参戦はJujuにとって貴重な走行機会となりそうだが、気になるのは、プロドライバーとしてだけではなくJujuは4月から新入生として大学生活が始まる。トレーニングにメディア取材、そしてレースと、普段の生活はかなり忙しそうだが……。

「スーパーフォーミュラに参戦するということもあって、最近は多くのメディアさんに呼んでいただいているのですが、もうすぐ大学の入学式があるのに入学前の課題が終わっていないというところもあります(笑)。大丈夫かな!?、間に合うかな(笑)」と、素直に大学生らしい不安ものぞかせたJuju。

 今季は大学生として、そしてプロドライバーとしてふたつのシリーズに参戦し、また新しい挑戦と驚きを見せてくれることになりそうだ。