6月18日、2024年NTTインディカー・シリーズに参戦しているアロウ・マクラーレンは、6号車のドライバーとしてノーラン・シーゲルと複数年契約を結んだと発表した。シーゲルは2024年の残りレースと、2025年シーズンの全戦にアロウ・マクラーレンから出走する。

 今シーズンのマクラーレンの6号車は、開幕より正規ドライバーのデイビッド・マルーカスがケガを負ったために、カラム・アイロットとテオ・プルシェールを乗せてシーズン前半を過ごし、チームは最終的にプルシェールとの正式契約を選んだ。

 今回の契約はそのシート争奪戦を上書きするものであり、今週末のウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで行われる第8戦『ファイアストン・グランプリ・オブ・モントレー』からは、パト・オワードとアレクサンダー・ロッシのチームメイトとしてシーゲルが出走する。

 カリフォルニア州出身のシーゲルは、インディNXTをメインカテゴリーとして戦う19歳。2024年はすでに、デイル・コイン・レーシングからエキシビションイベントの『ミリオンダラーチャレンジ』でインディカーデビューを果たし、第2戦ロングビーチ、第5戦インディ500にも出走。

 直近の第7戦ロード・アメリカではフンコス・ホーリンガー・レーシングでもスポット参戦を行っており、早くもインディカー4戦目を戦うなど、引く手数多の有望株として活躍に注目が集まっていた。

 そして、6月15日から16日にかけて行われた2024年WEC世界耐久選手権の第4戦ル・マン24時間レースでは、マクラーレン・レーシングのCEOであるザク・ブラウンが共同オーナーが務めるユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07・ギブソンに乗り込み、LMP2クラスを制する大金星を挙げ、今回の複数年契約締結に至った。

 毎戦上位を争うマクラーレンのシートを得たシーゲルは、「今週からアロウ・マクラーレンに加わり、今後はパパイヤカラーのマシンに乗ってNTTインディカー・シリーズでの自分の立場を作り上げていくことを楽しみにしている」と語った。

「予想外の飛躍だけれど、HMDモータースポーツとのインディNXTでやりがいのある走りを見せた後、こうした立場を得ることができてとても嬉しい。今週末、自分の地元でチーム全員と一緒にこの新しい旅と学びを始めるのを楽しみにしているよ」

 チーム代表のギャビン・ウォードは、「安定性と持続的な成長は、私たちの長期的プランの鍵であり、これはそのミッションにおける重要な一歩だ」と起用の理由を語った。

「まずここ数週間、6号車を運転してくれたテオ(・プルシェール)に感謝したい。私たちは今シーズンつねに6号車の椅子取りゲームをしてきたが、最終的にノーラン(・シーゲル)が空いている今、彼と交代することで、将来に向けた基盤を築くチャンスが得られる」

「彼は若く才能のあるドライバーであり、キャリアのこの段階で膨大な経験を有している。私たちは彼とともに成長の道を歩み続けることに興奮している」

 今回の起用により、シーゲルはNTTインディカー・シリーズのグリッド上で最年少のドライバーとなる。またアロウ・マクラーレンは、2025年のドライバーラインアップを近日中に発表する予定だという。