森町の小国神社の新たな名物にと企画された和菓子のもなか「こづち」がこのほど、構想段階から10年の時を経て完成した。
 町の観光名所でもある小国神社に「有名なお土産を作りたい」という思いから、当時町議で、現在はまちづくり団体の代表を務める榊原淑友さん(74)が2014年に発案した。同神社の御祭神と縁のある「打出の小づち」の形にすると決めて金型屋に依頼し、16年に型が完成した。
 ただ、小づちをかたどったもなかには、あんこが入りすぎてしまうという思わぬ難点も。製造を手がける「菓匠あさおか」(同町)の浅岡英明社長(60)も協力して試行錯誤を繰り返し、あんこと一緒に餅を入れるなど工夫を凝らした。
 今年3月、ついに商品が完成した。菓子の箱に書かれた「こづち」の文字は、同町出身の書家杭迫柏樹さん(90)がしたためた。6月に同神社で開かれた完成奉告祭では、長年にわたって愛される菓子となるよう、関係者らが願いを込めた。
 こづちは、同神社のみで同30日から販売を始めた。1箱3個入りで税込み600円。榊原さんは「全国の有名な土産に肩を並べる菓子になれば」と話した。