オリックス・頓宮裕真

 昨季の首位打者が、開幕から苦しんでいた。頓宮裕真が一時、打率1割を切るなど、本調子とはいかない数字が並んでいた。

「いろんな人が練習を手伝ってくれたり、声をかけてくれたりするので、良い結果が出るまでバットを振り続けたいと思います」

 思うような結果が出ず、開幕から快音が響かない。それでも、本拠地での試合では欠かさず早出練習を決行。ティー打撃や、ロングティーで自身の打撃状態を確かめた。裏方やスタッフにも左足の上げ方やタイミングの取り方を確認する日々に「なんとか一本、と思って打席に向かっています」と胸中を吐露する。

 2019年にドラフト2位でオリックスに入団し、今季がプロ6年目。5年目の昨季は113試合に出場し、自身初の規定打席に到達しただけでなく、打率.307をマークして首位打者に。16本塁打、49打点もキャリアハイの数字を残し「なんとか今年もチームの勝利に貢献できるように頑張っていきたい」とリーグ4連覇に向けて気持ちを込めていた。

 4月13日の日本ハム戦(京セラドーム)では、2回二死二、三塁の好機に今季2本目となる安打を放って、先制に成功。同戦の7回には相手左腕・北浦竜次が投じた外角のツーシームを逆らわずに右翼ポール際へ今季1号本塁打をたたき込み、右拳を高く突き上げた。

 前日の12日の同戦は一軍ベンチをはずれ、ウエスタンの試合に出場し「ふがいない成績なのにスタメンで起用してもらった。1打席が勝負だと思いました」。バットマンが目を覚ます。

写真=BBM