◆■NBA史上初のスペイン人HCはクラクストンとの再契約を希望

 4月25日(現地時間24日)。ブルックリン・ネッツは、チームの練習施設でジョルディ・フェルナンデス新ヘッドコーチ(HC)の記者会見を行なった。

 15歳からコーチングのキャリアをスタートさせたフェルナンデスは、スペインのバルセロナ出身の41歳。NBA史上初のスペイン人HCで、現在リーグで5番目に若い指揮官となった。

 直近8シーズンで、フェルナンデスはデンバー・ナゲッツ、サクラメント・キングスでアシスタントコーチ(AC)を務めており、2023−24シーズン開幕前のGMサーベイではNBAベストのACとして最も得票されており、昨夏はカナダ代表の指揮官として「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」で大会3位へ導き、パリオリンピック出場へと導いた実績を持つ。

 今シーズンのネッツは、ジャック・ボーン前HCの下で開幕5戦を終えて3勝2敗を残すも、徐々に黒星先行へ陥ってしまい、今年2月のオールスターブレイクでボーンを解任し、ケビン・オリーACがHC代行を務め、イースタン・カンファレンス11位の32勝50敗でフィニッシュ。

 5シーズン連続で出場していたプレーオフから遠ざかり、ネッツは新たなスタートを切ることとなる。ロスターで来シーズンも契約下にいるのはミケル・ブリッジズ、キャメロン・ジョンソン、ドリアン・フィニー・スミス、デニス・シュルーダー、ベン・シモンズ、キャム・トーマスといった選手たち。

 オフェンシブ・レーティングでリーグ23位の112.4、ディフェンシブ・レーティングで同20位の115.4に終わったチームの指揮官の座を託されたフェルナンデス新HCは、チームのアイデンティティとして「競争力をもつこと」、「チームとしての結びつき」、「自己犠牲的な行動」を挙げていた。

 ネッツのショーン・マークスGM(ゼネラルマネージャー)とフェルナンデス新HCが、今夏チームの優先事項として掲げていたのはニコラス・クラクストンとの再契約。211センチ97キロの25歳は、今シーズンに71試合へ出場して平均29.8分11.8得点9.9リバウンド2.1アシスト2.1ブロックにフィールドゴール成功率62.9パーセントを残したビッグマンなのだが、今夏に制限なしFA(フリーエージェント)となる。

「ニックが我々にとって1番の優先事項だと見ている。それは間違いない。我々としては彼には長い間このチームの一員であってほしいと願っている。彼とともにチームを構築し続けていくことを望んでいる」

 マークスGMがそう語れば、フェルナンデスもこう口にしていた。

「ニックはいわゆるディフェンス面で万能性を持つビッグマン。私は彼なら最優秀守備選手賞になれると信じている。我々にとって、今夏は彼を通してプレーできる方法を探っていくことが最優先。彼はピック&ロールで素晴らしく、リムへのアタックも速く、リムへプレッシャーも与えることができる。ハンドオフからプレーできる能力も備わっている。現代NBAでは非常に効率の良いスタイルなんだ」

 新たな指揮官の下、ネッツはすでに来シーズンに向けて、着々と動き出していると言えるだろう。まずはクラクストンと再契約できるか注目していきたい。

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