3日、東京都・後楽園ホールにて『Marvelous 8th Anniversary』が開催。Maria&川畑梨瑚がAAAWタッグ王座の初防衛に成功した。

 Mariaは2018年にMarvelousに3期生としてデビュー。プロレス界では永島千佳世や橋本千紘といった名選手、さらにはUFCファイターの村田夏南子を輩出した名門・安部学院高等学校レスリング部出身の実力派であり、“聖なるスネイクガーディアン”の異名を取る爬虫類的色気を持つビジュアルも兼ね備えた人気選手だ。
 川畑は女優として活動しながら2018年にアクトレスガールズでデビュー。その後は同団体のプレイングマネージャーを務めていた堀田祐美子に心酔して弟子入りし、アクトレスを飛び出してT-HEARTS所属に。2023年8月には、堀田が長与千種に託す形でMarvelousへ移籍を果たした。
 2人は当初バチバチのライバル関係にあったが、闘いの中で深い絆を結んで【Magenta(マゼンタ)】を結成。高い実力とビジュアルを誇るMagentaは日に日に人気を高めており、入場時にK-POPに合わせて踊るセクシーなダンスは名物となっている。

 Magentaは昨年12月に歴史と伝統あるAAAWタッグ王座を戴冠。女子プロレスタッグの新たな象徴となりつつあるMagentaの初防衛戦の相手として立ちはだかったのは、H2D(Hot Hype Doragons)】加藤園子&水波綾。
 H2DはOZアカデミーを中心に活動するタッグ。現在、Marvelousと正危軍が血みどろの抗争を展開していることから、Magentaにとってはベルトも団体の威信も守らなければならない試合となった。


 試合は、豊富なキャリア&実力を持つH2Dが序盤から圧倒。川畑が得意の蹴り技で加藤に競り負けたり、Mariaが水波の圧倒的パワーで蹂躙されたりとMagentaにとって絶望的な展開が続く。

 しかし、Magentaは中盤から互いのピンチを助け合いスピードを活かしたコンビネーション攻撃で反撃の狼煙。Mariaが巧みなサブミッションで水波を押さえる中、川畑も加藤に序盤戦の借りを返すかのような怒涛の蹴撃連打で畳み掛ける。

 それでもまだまだ余裕を残した様子の加藤は、川畑の必殺技であるムーンサルト・プレスを剣山で迎撃してドラゴン・スープレックス。さらにクーロンズゲートでの確殺を狙うが、これを川畑がスモールパッケージで切り返してカウント3。薄氷の勝利を掴んだ。

 試合を終えた川畑は「もうボロボロだし、ボッサボサだし、メイクも崩れてるし……こんな不格好なチャンピオンで。本当に強いH2Dと闘うことが決まってから本当に不安で、きっと私たちは一番自信がないタッグだと思います。でも、その自信のなさこそ自分たちの強みなのかなって。決して油断しないし、いつも真っ向からぶつかっていく。今日もきっと力の差は歴然だったと思うんですけど、勝てた理由は最後まで諦めなかったことだと思います。自分たちはそこを武器に最多防衛を狙っていきたいと思います!」と向上心に満ち溢れたコメント。
 Mariaは「2人で力を合わせるからこそH2Dみたいな強いタッグに勝てるんだなって。諦めない気持ち、常にこのベルトにかける思いが、ベルトさんが私たちを『貴女がチャンピオンだよ』って言ってくれたんじゃないかなって思ってます」と語り、9年目のMarvelousを担う覚悟を語った。

 現在、Marvelousは尾崎魔弓率いる【正危軍】の侵略を受けており、血みどろの抗争を展開中。Marvelousの至宝・AAAWシングル王座も尾崎に流出している。
 現在は団体のツートップである彩羽匠&桃野美桜が最前戦に立って闘っているが、Magentaの2人も団体を背負って外へ出ていける選手になっていくことを願いたい。