レーシングライダーの大久保光選手が参戦した、スーパースポーツ世界選手権第3戦オランダラウンド。そのレポートです。
天候不良により大半のライダーが予選落ちという大波乱
皆様こんにちは!レーシングライダーの大久保光です。
今回はスーパースポーツ世界選手権 第3戦オランダラウンドについて書いていきたいと思います。
オランダのTTサーキットアッセンで行われるこの第3戦ですが、天候がコロコロ変わるダッチウェザーで有名ですが、今回のレースウィークもまさにその通り。天気に翻弄される流れとなりました。
まず金曜日のフリー走行と予選ですが、フリー走行では走り始めて計測3周目でマシントラブルにより転倒。ハイスピードコーナーでの転倒でしたが幸い怪我はなく、メディカルチェックも受けることはありませんでした。
しかしマシンは大きくダメージを受けてしまい、そのまま走行は終了。午後に行われた予選も路面状況はウェットのままでしたが、天候は晴れで徐々に路面が乾いていく状況でした。
路面が乾き、スリックタイヤで走れるまで待つのも有りでしたが、フリー走行で転倒した後ということもあり、マシンチェックをするためにレインタイヤを装着してコースインする事を選択。
路面が乾いてきたところでピットインし、その間に何人かのライダーはスリックタイヤを履いてコースインしていきましたが、私はタイヤを交換している間に再び雨が降ってきてしまい、スリックタイヤでは走れない状態となってしまいました。
そのため結局、何人かスリックタイヤでタイムアタックできたライダーのタイムが採用され、私を含めた19人のライダーがトップタイムから105%のタイムに到達することができず予選落ちという絶望的な状況。
しかし、あまりにも天候が不安定だった事が考慮され、土曜日の朝フリーで105%のタイムをクリアできれば決勝の出走が認められるという特例が出されました。
そして土曜日の朝フリー走行では105%のタイムをクリア。無事に決勝出走の条件をクリアすることができましたが、グリット順位の参考となったタイムは金曜日のものだった為、30番グリットという厳しいスタートとなりました。
レース1は、またしても天候が荒れる中でのスタートでした。路面は乾きかけている状況でしたがレース中に雨が降ってくると予想して、レインタイヤでレースを走る事を選択。
レース序盤はレインタイヤの方が強いコンディションが続き、一時は15番手までポジションを上げる事ができましたが、そのあと雨は降らずに急速に路面が乾いてしまい、最終的にはピットインをしてスリックタイヤに交換。結果、順位は24位となりました。
レース2も同様のコンディションでしたが、路面は乾いていたのでほぼ全員がスリックタイヤでスタート。しかし、1周目で大雨が降ってきてしまい、ほぼ全てのライダーがピットインする事になります。
そしてスリックタイヤからレインタイヤに履き替えて、レースが再開。私はそのどさくさに紛れて大きく順位を上げる事ができ、15位争いを展開しましたが最終的には18位と悔しい結果でレースを終えました。
前戦のバルセロナラウンド後から、チームとのいざこざがあり今回のレースを走らないという状態まで追い込まれ、精神的に辛い状態が続きましたが、多くの方々が助けてくれたおかげでこうして無事にアッセンラウンドを終える事ができました。
まずはこの場をお借りして、お礼申し上げます。本当にありがとうございました。
現状、残りのスーパースポーツ世界選手権への参戦については、厳しい状況となっていますが、また進展がありましたらこの場をお借りしてお伝したいと思います。
次戦は、5月6日にオルトンパークで行われる、イギリス選手権(BSB)のスーパースポーツクラスとなります。引き続き、応援をよろしくお願いします。