猫は普段のんびりとゴロゴロしながら過ごしていますが、強い好奇心や狩猟本能を秘めた動物。時に自らの危険を顧みない無謀な行動に出ることもあります。

黒白ハチワレ猫のティナちゃんと暮らしている飼い主さんは先日、愛猫があり得ない場所に登っている瞬間を目撃してしまいました。その場所とは、なんと天井近くの隅っこ。

開かれたドアのてっぺんと壁に両手両足をつきながら、器用にバランスを取っている猫ちゃん。その体勢は何かの上に座っているというよりは、壁にへばりついているような感じで、重力で落下してこないのが不思議に見えてくる光景。物理法則を超越したような佇まいは、まるで忍者やスパイダーマンのようでもあります。

この写真を飼い主さんがSNSのXに投稿したところ、6万件を超える”いいね”が付くほどの大反響。写真を見たユーザーからは「スゴすぎる」「重力への反抗期」「スパイダーニャン」「猫になったアルソック吉田沙保里」などたくさんのメッセージが寄せられて注目を集めています。

それにしても、猫がいくら運動神経抜群な動物とは言え、こんな場所に自分で登れるものなのでしょうか。写真を撮影した飼い主さんに話を聞いてみると、この日は荷物を運搬するために、普段閉めっぱなしの扉を少しの間だけ開けていたのだと言います。

すると、突然大きな音がしたのでビックリして見上げたところ、目に飛び込んできたのが冒頭の光景。実はドアの近くに同じくらいの高さの棚があり、猫ちゃんはそこからジャンプして来たのだそう。そして飼い主さん的には驚きよりも別の感情が湧き上がってきたようです。

「いつも変な事をしているので『またか…』という気持ちと、高い所に登ると降りれなくなって鳴き叫び出すし、助けようとしても引っ掻いて来るので、『嫌だなぁめんどくさいなぁ』という気持ちが一番強かったです(笑)」

猫ちゃんは普段から天井付近の洗濯物を干す棒や、棚の上に登ったりしていて、ドアの上に乗っていたことも過去にはあるけれど、壁にへばりついていたのは今回が初めて。その理由について飼い主さんは「スリルを味わっていたのではないでしょうか?」と推測。その一方で、降りれなくなってしまい鳴き叫ぶ事もしばしばあるのだとか。

ではスパイダーニャン化した今回はどうだったのか。この後、猫ちゃんは1分ほど体勢を維持したまま壁にへばりついていたものの、その後は案の定、降りれなくなってしまいワタワタする羽目に。そして飼い主さんが助けようと救いの手を伸ばすと、落ちるように飛び降りて去って行ったのだそうで、怖いのが分かっている場所に敢えて登る行動力からは猫のチャレンジ精神が伝わってくるかのようです。

そんなティナちゃんは現在1歳の女の子。飼い主さんと初めて出会ったのは、生後2日ほどのまだ生まれたばかりの頃。母猫に置き去りにされていたところを、お母さんの知人が保護して連れてきたのがきっかけでした。

「あまりにも手がかかり、誰かに任せられる気がしなかったので、そのままうちの子にしました。」

甘えん坊な性格だけれど、成猫になった今でも野生味が強く、凶暴でもあるため飼い主さんの生傷が絶えないというヤンチャな猫ちゃん。今回の出来事も、そんなティナちゃんのワイルドさが伝わってくる微笑ましいエピソードでした。