Prime Video『バチェラー・ジャパン』シーズン1で最後の1人に選ばれ、一気に注目を集めるようになった蒼川愛さん。大学時代に就職活動もしながら、最終的にインフルエンサーの道を選んだ理由や仕事観について伺いました。(全4回中の4回)

番組出演や就職活動でやりたいことがより明確に

── 大学に在籍中にPrime Videoの恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』シーズン1に参加されましたが、経緯を教えてください。

蒼川さん:たまたま知り合いの方にオーディションを受けてみないかと誘われたのですが、女同士のバトルのような番組だとしたらイヤだなと思って、最初はお断りをしていたんです。ただ、日本では初の企画で。「絶対に出る意味がある」と説得され、詳しく話を聞くうちに、おもしろそうかもしれないと思うようになり、オーディションを受けることに。旅をしながら真実の愛を探す恋愛リアリティーショーなので、参加が決まってからは始まるのが楽しみで、気持ちを徐々に高めていました。

『バチェラー・ジャパン』シーズン1に参加(C)2016 Warner Bros. International Television Production Limited. Allrights reserved.(C)YD Creation All rights reserved『バチェラー・ジャパン』シーズン1に参加 (C)2016 Warner Bros. International Television Production Limited. Allrights reserved.(C)YD Creation All rights reserved

── 実際に旅に参加してみていかがでしたか?

蒼川さん:参加中も自分の芯はブレないように気をつけようと、心に決めていました。女性同士で群れたら残れないような気がして、できるだけそうしないようにと。いわゆる一匹狼みたいなところがあったと思います。各話の最後に、引き続き、旅に残ってほしい女性にバチェラーがバラの花を渡す、”ローズセレモニー”があるのですが、そのときに名前を呼ばれてバラの花をもらうのが嬉しくて。次も選ばれたいと思う気持ちが強くなっていきましたね。

豪華な空間や最後に受け取ったローズなど、すべてが非日常的な空間でいい思い出になっています。

バチェラーと過ごす1コマ(C)2016 Warner Bros. International Television Production Limited. Allrights reserved.(C)YD Creation All rights reservedバチェラーと過ごす1コマ (C)2016 Warner Bros. International Television Production Limited. Allrights reserved.(C)YD Creation All rights reserved

── インフルエンサーのお仕事を始めたのは、番組に参加した後からですか?

蒼川さん:そうですね。いわゆる表に立つようなお仕事をしたのはバチェラーが初めてでした。参加後に取材やモデルのお仕事をいろいろといただけるように。SNSのフォロワー数も増えていき、インフルエンサーとして活動するようになりました。バチェラーに参加したから今の自分があると思います。そういった点ではとても感謝しています。

── 参加当時は大学生でしたが、就職することは考えなかったのでしょうか?

蒼川さん:実は就職活動もしていたんです。ただ、バチェラーの影響でSNSのフォロワーがちょうど伸びてきて、「なにか人とは違う生き方をしたい」と思うようになりました。インターンでキュレーションメディアのライターを経験したのですが、そういうなにかを人に発信したり、訴求するようなことがやりたいと。

その後も「新卒として一般企業で働く」ことも考えながら、就職活動は続けていましたが、自分がその企業で働く姿がどうしてもイメージできなかったんです。結局、就職はせず、インフルエンサーとして活動する覚悟を決めました。

といっても、最初は特にアテもなかったので1日3投稿したり、フォロワーの質問に答えたりする感じでしたが…。地道に継続したことが、今の活動に繋がっています。

インフルエンサーは自分の天職

── 出産、子育てで島根に里帰りされたそうですが、その間は向こうでお仕事を?

蒼川さん:島根でもインフルエンサーの仕事を続けていましたが、距離や「映える」撮影のことを考えるとずっと島根で続けていくにはどうしても限界があって…。この期間はできる仕事にも制限がありましたし、親にも居候させてもらっていた身で少しお金も入れていたので、貯金がグッと減ってしまいました。それで再び上京することにしました。

そのころにちょうど「うちで働かないか」と美容業界からお誘いがありました。子どもを産んでから親にも相談するなかで、子育てをするうえで安定した生活の必要性を感じ、「ひとつ軸になる仕事があったほうがいいのでは」と。学生時代とは違う、仕事に対する考え方が芽生えたこともありました。ただ、悩んだ末、自分にはインフルエンサーが合っていると思い至り、今日まで続けています。

新型コロナウイルスの影響で仕事が減った時期もありましたが、去年くらいから以前のようなペースで仕事ができています。
 

美容が大好きでその知識を生かしながらインフルエンサーとして活躍(Instagramより)美容が大好きでその知識を生かしながらインフルエンサーとして活躍(本人のInstagramより)

── 現在は美容のお仕事がメインですか?

蒼川さん:そうですね。美容がやはり好きなので、発信するのも楽しいです。それでも産後すぐはなかなか時間がなく、難しいことがあったんですよ(笑)。

インフルエンサーとして、せめて“ながら”でもいいからできることを…と思い、子育てで大変な時期も、着圧タイツを履いてむくみ取りをしたり、ローラーでコロコロして、セルライト予防をするなどは欠かさず続けていました。

シャワーを浴びるときは顔がたるまないように上を向いて浴びる、顔を拭くときは摩擦を与えないように使い捨てのタオルを使うなど、努力できることはたくさんあります。

── 2023年には書籍『蒼川愛という生き方。』を出版されました。

蒼川さん:私のSNSのフォロワーの方は女性が多く、「私の生き方そのものが現代を生きる女性の参考になるのでは」とアドバイスをもらい、本を出版することにしました。尊敬している経営者の方にも、「名刺代わりに自分の本はいつか作ったほうがいい」と学生時代に言われていたので、形になって嬉しいです。恋愛、仕事、美容、子育てなど、現代を生きる女性に寄り添えるような内容になっていると思います。読んだ人たちの力になればいいなと思います。

── 今後はどのようなお仕事をしていきたいですか?

蒼川さん:今後は自分の興味のある美容の分野だけでなく、もっと幅広いお仕事に挑戦してみたいです。あとTikTokなど縦型の写真コンテンツなど、新しいSNSにも興味があります。SNSは好きなので、今後もずっと続けていきたいですね。

PROFILE 蒼川 愛さん

1994年生まれ、島根県出身。インフルエンサー。Prime Video『バチェラー・ジャパン』シーズン1に、大学生で参加。初代バチェラーの心をつかみ話題に。4歳の息子を育てるシングルマザー。

取材・文/酒井明子 画像提供/蒼川 愛