衆議院3選挙区の補欠選挙が28日に投開票されて、いずれも立憲民主党の候補者の当選確実が各メディアで伝えられた。自民党が候補者を唯一擁立した島根1区では小泉進次郎衆院議員が「逆転の錦織」と連呼するなど独特な応援で話題を集めていたが、開票が締め切られた午後8時に”ゼロ打ち”で結果が報じられるという惨敗となった。

 派閥の裏金問題で強い逆風を強いられた自民党は東京15区と長崎3区で公認候補者の擁立を見送る「不戦敗」に。唯一の与野党一騎打ちとなった島根1区でも、立憲民主党公認の元職、亀井亜紀子さん(58)に敗れた。

 1996年に小選挙区制となってから自民党が勝ち続けていた島根1区では新人の錦織功政さん(55)の応援演説に小泉議員が駆けつけ、「島根といえば自民党。そう言われた島根で私たちは負けているんです」「今は負けている。だけど、最後は勝つ」「悪いのは今の自民党です。錦織さんは全く関係ありません」など独特な言い回しで知られる”進次郎節”を発揮。さらに、島根県出身のプロテニス選手、錦織圭選手(34)にあやかるような合言葉として「逆転の錦織」と3度にわたり連呼。この演説がSNSで話題を集めていた。

 告示後は岸田文雄首相も2度も島根入り。34年ぶりの円安ドル高が進む中で「明日は必ず今日より賃金が高くなる。こういった日本を30年ぶりに実現できるかどうか」と熱弁をふるったが、逆風をはね返すことはできなかった。