5月恒例の歌舞伎公演「團菊祭五月大歌舞伎」が2日、東京・東銀座の歌舞伎座で開幕した。

 昼の部では昨年4月に亡くなった四代目市川左團次さんの追善として「毛抜」を上演。長男の市川男女蔵(56)が「おやじさんの通った道は通らなければ」と父の当たり役だった主人公・粂寺弾正を熱演した。

 孫の市川男寅(28)も錦の前を演じ、クライマックスでは後見を勤める市川團十郎(46)が裃(かみしも)姿で登場。中村時蔵(69)、中村鴈治郎(65)、尾上松緑(49)、尾上松也(39)、尾上菊五郎(81)ら豪華な顔ぶれも共演して盛り上げた。

 昼の部「極付幡随長兵衛」では團十郎が襲名後初となる幡随院長兵衛役で登場。父の十二代目團十郎から生前最後に教わった思いを胸に「しっかりと勤めたい」と意気込み、敵役の水野十郎左衛門は尾上菊之助(46)。新時代の”團菊”共演で会場を沸かせた。

 このほか昼の部では「鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと)」、夜の部は「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」「四千両小判梅葉(しせんりょうこばんのうめのは)」を上演。公演は26日まで。