三重県伊勢市出身の歌手、中西りえが14枚目のシングル「津軽挽歌(ばんか)」を発売した。持ち味のパワフルな歌声を抑え、澄んだ高音を披露。「新たな中西りえに挑戦し、引き出しが増えました」とPRした。

 2012年にパンチの効いた男歌「北海男節」でデビュー。1年ぶりとなる新曲は「舟唄」や「雨の慕情」を手がけた作曲家の浜圭介さんが「声を張らなくてもいい、長く歌える曲」をと、初めて中西のために書き下ろした。

 愛する人を失った女性が津軽を訪れ、故人を思うドラマチックな内容。地声で出せるキーもあえてファルセットで歌い、「きれいで耳に優しい声がテーマ。初めて世に出せました」と自信を見せた。

 カップリングには奄美大島を舞台にした「島唄慕情」を収録し、北の青森県と南の鹿児島県で両極端の1枚に。中西は「2曲セットで楽しんでほしい」とアピールした。

 26日には地元の伊勢市観光文化会館で毎年恒例のコンサートを開く。過去のシングルに「ひとり珠洲岬」「能登の海風」と能登を舞台にした2曲がある縁で、能登半島震災復興支援のため、募金活動などを行うチャリティー公演と銘打つ。中西は「先輩の六本木ヒロシさん、竹川美子さん夫妻もゲスト出演します。ぜひご来場を」と呼びかけた。