東京・歌舞伎座の7月公演「七月大歌舞伎」が1日に初日を迎え、昼の部では市川團十郎(46)が13役の早替わりで魅せる「星合世十三團」を上演。夜の部では松本幸四郎(51)が父・松本白鸚(81)、長男・市川染五郎(19)と親子孫3代の共演で、43年ぶりに上演する「裏表太閤記」に挑んだ。

 「星合世十三團」は古典歌舞伎の3大名作の一つとして知られる「義経千本桜」の主要なキャラクター13役を團十郎が1人で演じ分ける意欲作。市川海老蔵時代の2019年に初演して以来の再演で、團十郎を襲名してからは初めて。「十三代目として後世に残る作品を作り上げ、少しでも歌舞伎に貢献できれば」という思いを込めた熱演で劇場を沸かせた。

 「裏表太閤記」は豊臣秀吉の”表”と明智光秀の”裏”を対比させながら描いた作品。1981年に三代目市川猿之助(二代目市川猿翁)が初演。今回は構成を変えて上演し、幸四郎は秀吉や孫悟空など3役を演じて苦手な宙乗りにも挑戦。劇中でも染五郎と親子役を演じ、白鸚は大綿津見神(おおわたつみのかみ)役で登場する。

 白鸚は「また3代で芝居をできるとは思ってもおりませんでした。2人ともこれから大変だと思いますが、一歩一歩大きくなっているようでございます。それを楽しみにしております」と共演を喜んだ。光秀役は尾上松也(39)で、本水を使った幸四郎との対決も大きな見どころ。公演は24日まで。