F1日本GPで10位入賞したビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅(23)が9日、東京・青海のシティサーキット東京ベイで、カートイベント「カートウォーリアーズ」を主催した。モータースポーツの底辺拡大を目的に、カート時代からの大親友で、スーパーフォーミュラ(SF)などで活躍する小高一斗(24)と企画。趣旨に賛同した同世代の有力選手も多く駆け付けて盛り上げ、「令和6年能登半島地震」の被災者に向けたチャリティーも行った。 (田村尚之)

 感動的なフィナーレを迎えた日本GPから、わずか2日−。角田がお台場で“躍った”。自身が企画したカートイベントで、獅子奮迅の働きだ。

 「新しい試みなんで、盛り上がってくれたら最高かな。みんなで集まるのも久しぶり。楽しみたい」

 午後4時過ぎから電動カートの同乗走行に始まり、デモンストレーションランや電動3輪バイク「ラプター」の体験走行と、予定がびっしり。本番のカート大会に挑む前に心地よい汗を流した。

 イベント開催に動き出したのは昨年12月、仲良しの小高、大湯都史樹と3人でレンタルカートを楽しんでから。自分たちが子供のころのレース活動を始めるきっかけを思い出したという。

 共同主催者の小高は「子供のころに(小林)可夢偉さんが出ていたカートイベントに参加し、すごく楽しかった思い出がある。『今度は僕らがやらなくちゃ』と思った」と説明。F1ドライバーになった角田を中心に据え、それぞれのスポンサーなどの協力をあおぎ、同世代のドライバーに無償での協力を求めた。

 さらに、会場で販売したグッズなどの収益金などを、今年元日に起きた能登半島地震の被災者に送るチャリティー活動も急きょ追加。角田は「去年(チーム本拠地のイタリア)ファエンツァで起きた大洪水は、自分の人生で経験した初めての大災害だった。だから、今回も何か助けになりたいと思って」と明かした。

 2人の呼び掛けに快く応じ、今週末にスーパーGT開幕戦を控える牧野任祐、太田格之進、福住仁嶺、山下健太、大湯、阪口晴南ら、そうそうたる面々が参加。短い準備期間で何とか形にし、スポーツ専門チャンネル「J SPORTS」の生放送も実現した。

 カートレース決勝は2番手からスタートした角田が、最終盤に追い上げて3位ゴール。「とてもリラックスムードで過ごせ、楽しかった」。日本レース界の次世代を担う仲間と志を同じくし、最高に楽しい時間を過ごした。