ドジャース・大谷翔平の通訳だった水原一平容疑者は12日(日本時間13日)、銀行詐欺容疑でロサンゼルスの連邦地裁に出廷。保釈金2万5000ドル(約385万円)で保釈が認められた。保釈条件はギャンブルとカジノへの出入りと、大谷との接触を禁止。パスポートは没収され、カリフォルニア州の中心部を離れることは許されない。

 同容疑者はスポーツの違法賭博で約4000万ドル(約61億6000万円)の負けを抱え、大谷が約3年間ノータッチだった銀行口座から少なくとも1600万ドル(約24億6000万円)を違法ブックメーカーに不正送金したとされる。

 米国を代表するスポーツライターの一人、スポーツ専門局ESPNのジェフ・パッサンは15日、ユーチューブチャンネル「リッチ・アイゼン・ショー」「パット・マカフィー・ショー」に出演。「実際にギャンブルしたのは大谷で、水原は『いけにえ』にされた」との陰謀説を完全否定した。

 同ライターの前置きは「人間は物を隠すのが非常に上手で、最悪の事態に陥った人間がそれを隠そうとするときの頭の回転の速さは見過ごすべきではない。確かに、これは単純明快なケースではない。『壮大な陰謀説』もささやかれている」

 さらに「だが、(米連邦検察の)告訴状によれば9700ページにも及ぶ大谷と水原のメールのやりとりの中で、大谷がギャンブルに関して何かを知っていたとの痕跡は全くなかった。もし陰謀に翔平が関わっていたとすれば、ドジャース、エンゼルス、連邦捜査当局、代理人、会計士、フィナンシャルアドバイザー、銀行。それらの全てが作り話の中で特定の役割を果たし、そろって世間をだまさなければならないことになる」

 また、「『大谷翔平を『あげたい』。そうやって名を上げたい』と思わない連邦捜査官なんているだろうか? 特にスポーツ賭博がこれほど大きな問題になっているとき、どこの馬の骨ともしれないヤツなんかよりも超大物をあげたいと思わない捜査官がいるだろうか?」と、逆説的に陰謀論を重ねて否定した。(写真はAP)