オートバイのトライアル選手として活動する藤原慎也(34)が22日、名古屋市内で記者会見を開き、2026年のダカールラリーにモト(2輪)部門で挑戦すると発表した。

 「昔からダカールラリーに出ることが夢だった。ミスチルの歌にもあるように壁が高ければ高いほど、乗り越えたときの喜びがある。大きなチャレンジをすることで日本人としての誇りを世界中に知らしめていきたい」

 ダカールラリーは世界で最も過酷なラリーレイド競技といわれており、人気バンド「Mr.Children」の名曲「終わりなき旅」の一節をなぞらえながら壮大な決意を口にした。

 兵庫県出身で7歳でバイクにまたがり、2014年に全日本トライアル選手権の国際Aクラスでタイトルを獲得。現在は最高峰クラスなどで活動を続けており、果敢な競技スタイルから”ぶっ刺し先生”の異名も持つ。NHK総合のバラエティー番組でも破天荒な活動を紹介されたことがある。

 参戦プロジェクトは自動車関連の精密部品などを生産する松尾製作所(愛知県大府市)が3カ年計画でサポートする。藤原はラリー競技の経験がなく、6月にオフロードで競うハードエンデューロ世界選手権の「レッドブル・エルズベルグラデロ」に出場した後は、サハラ砂漠などを走破する「モロッコラリー」(10月)、「アフリカエコレース」(来年1月)といったラリーレイド競技にシフトしていく。

 ダカールラリーはかつてはアフリカが舞台だったが、南米開催を経て現在は中東のサウジアラビアで開催されている。完走率は50%といわれ、モトの日本人過去最高位も2000年に池町佳生が記録した総合10位と競技レベルは高い。

 松尾製作所の松尾基社長からは「命懸けな大会なのでまずは完走を。安全に走ってほしい」とくぎを刺され、藤原も「座右の銘は『我夢生れ』と書いて『がんばれ』。けがなく日本に帰ってこられるように精いっぱい頑張って結果を残したい」。着実な走りでゴールを目指す。