4月に入って桜が開花すると、一気に春が訪れた。増水後に岐阜県下呂市の益田川漁協管内を訪れ、支流の大洞川、小坂川、山之口川を転戦したところ、渓魚もようやく躍動。地元名手と渓流釣りを満喫した。 (中日釣ペン・餌取春義)

 益田川本流は水位が高く、小坂川の様子を見ながら北上して大洞川へ。増水後で水位20センチ高。何より驚いたのは水がきれいなことだ。えん堤から瀬、淵へとつながる雰囲気のあるポイントを見つけた。

 地元名手・中島一朗さん(51)とは後で合流するため、先に竿を出す。竿6・5〜7メートルにフロロ0・175号、針4号、キンパク餌。9時、淵から釣り上がる。この日の桜は満開手前。朝の空気は心地よく冷んやり。癒やしの空間だ。淵への流れ込みに餌を打ち込む。水量もあって深いので、オモリはガン玉3Bで流れに沈めた。

 なじんだところでアタリ。引き抜くと18センチのきれいなアマゴだった。1投目から幸先のいいスタート。次はバレたが、またもアタリで22センチのアマゴが姿を現した。写真を撮った後に手が滑って逃げられたが、釣れてくれたので悔しさはない。

 その後もアタリは連続し、まさに渓魚のお目覚めだ。このポイントだけで10回以上のアタリがあり、5匹ゲット。何という魚影の濃さだ。上流の瀬へ移動すると、小型が釣れてリリース。えん堤下の開きもリリースサイズが多い。18センチ前後を数匹キープした。

 10時過ぎ、中島さんと合流。私が攻めていないポイントに餌を打ち込むと、イワナが来た。デカい! ジャスト30センチの尺物だった。場所移動後、私は竿を出さず中島さんの釣りをじっくり観察する。中島さんは瀬をテンポよく釣り、粘ることはしない。「いれば一発で食ってくるから」。アマゴがいるかいないかの判断が早い。餌の流し方はナチュラルだ。

 次は小坂川の道の駅・小坂はなもも裏へ。好ポイントだが水位が高い。私に21センチがヒットした。見た目より流れが速いため、中島さんは「山之口川へ行ってみましょう」と、通称・牛小屋前に案内してくれた。人気ポイントで釣り荒れしているが「夕方で活性が上がっているかも」と言う。

 上下に分かれると、小ぶりが食ってくる。山之口のアマゴはパーマークがくっきりしていて朱点も鮮やか。宝石のような美しさだった。午後5時までに釣果はキープ15匹でリリース多数。中島さんは尺イワナを含む23匹を数えていた。南飛騨もいよいよ春本番だ。年券9500円、日券2200円、75歳以上・25歳以下・女性・身障者3級以上年券8500円、日券2000円。高校生以下無料。(問)益田川漁協=(電)0576(52)1035