カブスの今永昇太投手(30)は28日(日本時間29日)、敵地ボストンでのレッドソックス戦を全米中継したスポーツ専門局ESPNの試合中インタビューに出演。メジャー挑戦1年目は5試合に登板し、4勝0敗、防御率0・98と『無双状態』だが「まだ正直、通用しているとは思っていない」と吐露した。

 同局のラベッチ実況から「ここまで素晴らしい成績だが、大リーグでも通用すると実感したのはいつぐらいか」と聞かれると、今永はこれを否定した。

 「まだ正直、通用しているというふうには思っていない。理由としてはまだ初対戦のチームだけなので、これが繰り返し対戦が続いてくると攻略もされるだろうし、そういったときが僕の本当のスタートだと思っているので、いまは本当にがむしゃらにやっているだけ」

 「大リーグ公式球はしっくり来ているか?」との質問には、心の強さをうかがわせた。「いや、やっぱりいろんな形というか均一ではないので、ファウルの後とか新しく来るボールがすごく難しいところはある。でもまあ、これもアメリカの野球だし、それがいいことでも悪いことでもないので全てを受け入れて何も気にしないというところが、そういうメンタルが一番大事だと思う」

 通算194勝右腕の『完全試合男』、同局のデビッド・コーン解説者は「高めの直球は切れが素晴らしいが、どう投げているのか? グリップの角度や指先のプレッシャーなどは?」と興味津々。今永は「とりあえず、指がボールを持ったときの角度から伸びないように、指が遠心力に負けないように、(人さし指と中指の)アーチを保ちながら投げるように気を付けている」と答えた。

 最後は、シカゴに来てお気に入りになった食べ物について「シカゴ・ピザがすごく有名で食べた。でも、一枚でおなかいっぱいになった」とニッコリ。これには、阪神でプレー経験がある同局のエドゥアルド・ペレス解説者が「ハラヘッタ。ベリー・ハングリー」と、かみ合わない日本語を交えて笑いを誘った。

 試合はカブスが4―5で惜敗。レッドソックスの吉田正尚外野手(30)は「6番・DH」で先発したが、第2打席でセンター前ヒットを放った際に右手親指を捻挫し、6回の第3打席で代打を送られた。(写真はAP)