WGP 第4戦 スペインGP 決勝 28日

ヘレスサーキット ペン&カメラ=遠藤智

 モトGPクラスを戦うLCRホンダの中上貴晶(32)は、24番グリッドから14位。第2戦ポルトガルと同じ順位で今季2度目の入賞を果たした。今年初めて手応えのある走りを経験し、低迷するホンダ陣営にあって一筋の光明を見いだしたもよう。優勝はドゥカティの2連覇王者、フランチェスコ・バニャイア(27)=イタリア=で今季2勝目(クラス通算20勝目)。グレッシーニのマルク・マルケス(31)=スペイン=が2位に入り、ドゥカティ移籍4戦目で初めて決勝の表彰台に立った。

 今季ワースト24番グリッドから中上が転倒者続出の決勝を生き残り、何とか入賞にこぎつけた。「14位には全く満足できないが、小さいながらも一歩前進。“何をやってもダメ”な状態から、何がダメなのか問題点が絞られてきた」と成果をアピールする。

 「スローコーナーはそれほど悪くないが、自分が本来、最も得意とする中高速コーナーでダメだった。自信を持ってコーナーに入っていけず、タイムロスにつながった」と反省。少しずつ整理されてきた問題点について「29日のへレス公式テストで確認作業をしたい」と前を向いた。

 開幕前日には「いろいろな意味で、決断の時期が来た」と漏らしたばかり。まずは、低迷を続けるマシン開発の方向性に関して、言うべきことを言うこと。もうひとつは「32歳という年齢もあるし、夏までには将来のことをきちんと考えたい」という自身の今後の身の振り方だ。

 ライダーとして残された時間を考え、「いつまでも下位を低迷してはいられない」との思いに急き立てられている。うまく上昇気流に乗れないホンダと自身の復活をかけて、背水の陣が続く。