「ピッカリ投法」の明るいキャラで知られる元プロ野球近鉄、中日、オリックスで投手として活躍した解説者の佐野慈紀(本名重樹)さんが56歳の誕生日を迎えた30日、ブログを更新。糖尿病による感染症のため、翌5月1日に利き腕の右腕を切断することを明かした。

 佐野さんは「56歳になりました。55歳はまさかの1年入院生活 今日は思い出に浸ろうかな」とつづり、半生を回顧。松山商、近大呉工学部を経て1990年にドラフト3位で近鉄に入団したことなどを懐かしんだ。

 佐野さんは昨年4月、「右足中指の感染が発覚。重症下肢虚血 緊急の為、右足中指を切断」と報告。さらに「治療の為、強制入院生活始まる。遅ければ右足を失うとこだった。回復に時間が掛かり長期の治療」と続け、入院に至った経緯をつづっていた。

 その後「何とか回復し、足は残す事ができた」としたものの、12月に感染症のため右手の指先2本を切断。当時のブログには「握手はできるよ。でも驚かないでね」「左投げやってみよかな」と気丈につづっていた。

 しかし今年1月、心臓弁膜症が発覚し、「糖尿病による影響は恐ろしい」と病名を告白。「感染を広げない為に洗浄の繰り返し。毎回激痛が走る」と、つらい治療を続けていた。

 さらにこの日、「感染症が進み明日右腕を切断する事に」と翌日の手術を発表。「涙は出なかった」「生きる為には乗り越えないとな」と心境を明かしながらも「一緒に戦ってくれた右腕 感動を分かち合った右腕 明日、お別れする。ごめんなさい」と悔しさをにじませた。

 最後は「これも長い人生の一つ」「目一杯抗いでやる。56歳を迎えた右腕のないハゲたおっさんですがどうかよろしくお願いします」と自身を奮い立たせ、恒例の「みんなかがや毛〜!」という決まり文句に加え、「ワシ、野球選手やったんやで!!!」と前向きにつづった。