◇30日 オリックス0―1ロッテ(ほっともっとフィールド神戸)

 今季初めて実現したオリックス・宮城大弥投手との同学年対決がロッテ・佐々木朗希投手の負けん気に火をつけた。今季5度目の登板で初めて7イニングを無失点に抑え、今季3勝目をマーク。最速は158キロにとどまったものの、得意のフォークを中心に今季最多の10三振を奪った。

 「(今年は)イニングは投げていたけど、無失点で抑えられる試合がなかった。打線に助けられてもらいながら勝っている試合ばかりだったので、きょうはしっかりといい仕事ができたかなと思います」

 1回無死一塁から森に左中間突破の二塁打を許したが、隙のない中継プレーで一塁走者の生還を阻止。味方の好アシストが気迫の投球をよみがえらせた。相手先発の宮城も自己最速を更新する155キロで13三振を奪う投手戦となったが、5回に荻野の適時二塁打で奪った1点を守り切った。

 力投を続ける宮城の姿が無失点投球の原動力になった。「何より一番いいピッチャーだと思うので、自分の中でも気持ち自体はいつもより入った。いい集中力で投げられたかなと思います」。今季初めて達成した2桁奪三振については「きょうは宮城の方が取ったので、ちょっと何も言えないです」と笑わせつつも「いい投手の時は抑えないと勝てないと思っていたので、そこに関してきょうはできたので良かったかな」と復調の手応えもつかんだ。

 宮城との投げ合いはこれで3勝1敗。ドジャース、パドレスなど雨の中、視察した大リーグ6球団の関係者に「令和の怪物」が本来の実力を見せつけた。