名古屋グランパスは16日、湘南戦に臨む。DF河昌来(ハ・チャンレ、29)は初選出となった韓国代表での活動から戻ると、いきなり12日の天皇杯2回戦・JAPANカレッジ戦(豊田ス)にベンチ入り。長谷川健太監督(58)が経緯を明かし、初代表の経験を生かしチームをけん引する活躍を期待した。チームは15日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで調整した。

 河昌来は韓国代表として6日のシンガポール戦(シンガポール)と11日の中国戦(ソウル)にベンチ入りしたが、いずれも出場なし。中国戦の翌日にあった天皇杯でいきなりベンチ入りすると、後半ロスタイム5分、脳振とう疑いのMF内田に代わりピッチに立った。

 代表チームでは、MF孫興民(31)ら欧州で活躍する選手とともに練習。「本人もいい刺激になったみたい」と指揮官。その言葉を裏付けるように、12日に天皇杯でのメンバー入りを熱望。午前に練習場で体を動かしてコンディションに無理がないことを確認し、負傷者や延長戦突入など不測の事態が起こった際のみとの条件を提示されても「それでもしっかり準備したい」とベンチに入った。

 最終ラインはDF河面が戦線を離れ、DF三国もリーグ戦フルタイム出場中ながら中2日の天皇杯もフル出場。河昌来不在のルヴァン杯では右サイドが本職の野上が左CBに入るなど、人繰りは厳しい。河昌来には「代表での経験、肌感覚を今いる選手に伝えてもらいたいし、代表選手の責任感、プレーで存在感を示してほしい」と長谷川監督も期待を寄せる。

 湘南は順位こそ降格圏の18位に沈むが、ここまでルキアンが7得点、福田が6得点とFW陣の爆発力が売り。総得点23もグランパスを上回る。指揮官は「勢いがある時はどのチームに対しても迫力あるサッカーができる」と表情を引き締める。湘南の攻勢を、韓国代表の誇りを胸に刻んだファイターがせき止める。