◇15日 ロッテ10―0中日(ZOZOマリン)

 右肩痛で14日に1軍復帰したばかりのロッテ・藤岡裕大内野手が復活の3号2ランを放った。

 3回に自身の内野ゴロの間の1点で先制し、その次に迎えた第3打席だった。5回2死一塁から中日先発メヒアが投げた外角高めの直球をフルスイングで右翼席へたたき込み、一挙6得点の猛攻につなげて6連敗を阻止した。

 「けがをしてリハビリ期間、苦しかったですけど、ここに戻ってくるという強い気持ちを持って日々過ごしていた。本当に皆さんの応援が力をくれている。ありがとうございます」

 藤岡は3月に左足首を捻挫したほか、4月には左太ももの張りで出場選手登録を抹消。5月にも右肩痛を発症し、約1カ月の戦線離脱を強いられた。

 「ここ3カ月で3月にけがして、4月にけがして、5月にけがしてだったので。毎年けがをしていたので、さすがにちょっと心が折れそうになりました」

 リハビリ期間中には代役の小川龍成内野手が攻守ともに奮闘し、ラッキーボーイ的な活躍でチーム19年ぶりの11連勝に貢献。試合を見守るだけだった藤岡には期するものがあった。

 「龍成が本当に頑張っていましたし、ああいう少ない与えられたチャンスでものにできるのは素晴らしいこと。自分もそういうひたむきな気持ちを大事にしないといけないなと思っていました」

 昨年のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦で藤岡は、0―3の10回裏に同点3ランを放ち、チームをファイナルステージ進出に導いた。ファンの間で「幕張の奇跡」と呼ばれる大仕事を成し遂げた男が、今年も救世主的な活躍でチームを引っ張る。