気圧が低下したり大きく変動したりするタイミングで、頭痛がする、ズーンと体が重くなる、めまいがする……そんなお悩みをお持ちの方も多いでしょう。食べ物の選び方から、気圧対策をしてみるのも、不調改善に役立つはず。

『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた』から、一部抜粋・再編集してお届けします。

胃腸から体を変えるには米・カボチャ・イモ・豆・キノコ

 ご自身も気圧変化による頭痛に苦しんでいた漢方アドバイザーの久保奈穂実さんは、体質改善によってつらさを克服できた一人。

「一朝一夕には良くなりませんが、体を作っているのは食べ物や生活習慣なので、少しずつ改善していってください。気圧や気温の変化も含め、外的なストレスに対するバリアー機能がだんだんアップしていきます」

 久保さんおすすめの胃腸を元気にする食材は、米・カボチャ・イモ類・豆類・キノコ類など。

 減量などのため糖質を控えている人もいますが「薬膳的に考えると、米やイモ類は胃腸を元気に、そして丈夫にしてくれる食材。全部抜いてしまうと外的ストレスに弱くなり、気圧の変化で体調に影響を受けやすくなります。糖質も含めてバランスの良い食事をした方が、結果的に代謝が上がり、適正な体重に近づきます」

 食べ方にもちょっとした工夫をしてみましょう。

「基本中の基本ですが、よくかんで食べること、温かい汁物を一口飲んでからご飯を食べ始める、といったことが胃腸のために良い食べ方です」(久保さん)

食物繊維の取り方にもコツがあり

 スポーツ栄養士のくりきみゆきさんによると、「第六の栄養素」とも言われ、健康のために重要な役割を果たしている食物繊維も、気圧の影響で体調が悪いときには摂取にちょっとした注意が必要、とのこと。

 食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。

 水溶性食物繊維は水に溶けてゼリー状になり、食後の血糖値が上がるのを防ぐ役割や、血中のコレステロール値低下などの働きをします。一方で不溶性食物繊維は水に溶けにくく、水分を吸収して便の容積を増加させ大腸を刺激。腸内の有害物質を便とともに体外へ排出するなどします。

 通常はこの2つの食物繊維を両方、バランスよく摂取するのが望ましいのですが、気圧の影響でコンディションを崩しているときは、不溶性食物繊維が大腸を刺激すると余計に体調が悪くなりがちなので控えめにしましょう。

「水溶性食物繊維が含まれるキャベツやホウレンソウ、ニンジン、ジャガイモを温野菜にして食べるのがおすすめです。ごぼうやたけのこなど、不溶性食物繊維が多い食材を使いたいときは、加圧鍋で柔らかくすると良いでしょう」(くりきさん)

果物を食べるならリンゴやイチゴ

 くりきさんによると、果物ではリンゴ、メロン、モモ、キウイ、イチジク、イチゴなどは消化管への負担が少なかったり、消化を助ける酵素が含まれていたりするので、「ソースや調味料にすれば肉料理と相性が良い」とのこと。パイナップルは生のままでは不溶性食物繊維が多いものの、肉のタンパク質を分解する酵素が含まれているので、ソースにして豚肉と合わせるのがおすすめだと言います。

 一方でミカンなどの柑橘類は薄皮に食物繊維が含まれるため、食べすぎると消化に時間がかかります。冬場に気圧の変化があるときは、ミカンをたくさん食べすぎないよう注意してください。

※『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた』より一部抜粋・再構成。

【取材・監修協力】
久保奈穂実:漢方アドバイザー、国際中医薬膳管理師
芸能・音楽活動中、ハードな生活で身体のバランスを崩す。漢方薬に助けられた経験から、イスクラ中医薬研修塾にて中医学を学ぶ。成城漢方たまりにて漢方相談・薬膳講師を担う。

くりきみゆき:スポーツ栄養士、ストレングス&コンディショニングコーチ
プロアスリートのための体調管理を担う。スポーツに打ち込む家族を支えたい一般の方にも楽しく快適な毎日を築いてもらえたらと、講演活動やメタバース空間「ZEPETO」でのスポーツ知育遊び場運営も積極的に行っている。

デイリー新潮編集部