バドミントンの日本代表といえば、男女単複問わず世界最高レベルにあるが、日本バドミントン協会は最低レベルの組織である。

「2022年3月、協会は『元職員が公金680万円を横領していた』と発表したのですが……」

 とスポーツ紙記者が語る。

「事件が起きたのは18年。協会は元職員を刑事告訴せず諭旨退職とし、被害額を理事らの私費で補填して隠蔽(いんぺい)を図っていたのです」

 JOCに通報があり事件が明るみに出るも、当時の専務理事は「五輪直前で、選手を守るために公表を控えた」と苦しい弁明に終始し、会長や自らを含め隠蔽に関わった理事らを厳重注意処分にとどめた。だが、当然ながら批判がやまず、約半年後、会長と専務理事は辞任に追い込まれた。

横領だけでは終わらなかった

 翌23年、元Jリーグチェアマンの村井満氏が1月に副会長、6月に会長に就任したが、腐り切った体質は治癒しない。7月、協会が提出した書類の不備により大堀彩(27)がカナダでの国際大会に出場できず、世界ランキングで決まるパリ五輪出場資格を脅かす事態を招いた。同じ頃、協会評議員55人の改選手続きを怠っていたことも判明した。

 旧体制の失態は、今なお組織の首を絞め続けている。

 昨年度、国は強化費を2割削減。今年度は前年の8億円から更に5億円減の2億9000万円に減じた。既に強化合宿が2度中止となった上、7月の五輪直前合宿も規模が縮小され、

「ヘッドコーチが今月11日の会見で『予定通りのプログラムができず残念』と現状を憂えていました」

最大のスポンサーにも“不祥事”が

 また、これは次元の違う話だが、バドミントン協会最大のスポンサーで、ジャパンオープンの冠スポンサーでもあるダイハツの、協会サイトにあるバナー広告をクリックすると、

〈当社の認証申請における不正行為により……深くお詫び申し上げます〉

 そう、ダイハツでも昨年、不祥事が露見した。泣きっ面に蜂とはこのことだ。

「協会は16日の評議員会で、約1億円の赤字となった昨年度決算を承認。ただ、危惧された債務超過は、村井会長が方々から寄付金を集め、辛うじて回避しました」

 先の大堀は、無事に代表に選ばれ、16日にはオーストラリアオープンで優勝を果たした。頑張っている選手たちの足をこれ以上引っ張らないでおくれ。

「週刊新潮」2024年6月27日号 掲載