「巨人8−5阪神」(3日、東京ドーム)

 巨人が序盤6得点の猛攻を見せ、首位・阪神に打ち勝った。連敗は3でストップ。球団創設90周年記念特別試合「長嶋茂雄DAY」を勝利で飾った。

 試合後、阿部監督は坂本、長野、小林、門脇による4連続適時打が出た初回の攻撃を振り返り「今年初ってぐらいつながった。いい攻撃だった」と称賛。二回の岡本和の本塁打についても「ナイスバッティングでした」、坂本が長嶋氏に並ぶ186回目の猛打賞を記録したことについても「もう素晴らしい。こういう日にピッタリじゃないですか」と、称えた。

 先発を託した戸郷は六回に2点を奪われ、3点差に迫られたところで降板。「大差があって、四球とか。打たれていいケースだったけど、ちょっとだらしなかったので代えました」と、説明した。

 五回終了後のセレモニーでは長嶋氏と言葉をかわした。「『今日は勝てよ』って言ってくれていたと思う。喝を入れられました。元気そうだったんで。球場にくると元気になるとお聞きしてるので。結果的に勝てたので素晴らしい一日になった。(喝の効果は)絶大にあると思います」と、笑顔で語った。

 試合は初回、2死から吉川が右中間を破る二塁打でチャンスメーク。岡本和が四球で歩くと続く坂本が、左翼線を破る適時打を放ち先制点を奪った。さらに長野、小林、門脇とつなぎ、4連打で一挙4点を先制。さらに二回には、2死二塁から岡本和が5号2ランを放ち、リードを広げた。

 投げてはエース戸郷が、大量点にも守られながら、試合を優位に進めていった。6回途中、3安打3失点で2勝目。連続四球でイニング途中降板に「これだけ点をもらっていたのに、投げ切れなかった事が悔しいです。もったいないボールが多かったので次回しっかりと投げ切るためにも、修正して次につなげたいです」と反省のコメントを残した。

 ただ、勝利間際の九回2死で、巨人の守護神大勢にアクシデントが起こった。

 4点リードでマウンドにあがったが、2死を奪った後、近本、中野、森下に3連打を浴びて1失点。マウンドに集まった中で、コーチが肩をさわるジェスチャーをベンチに送り、ここで突如マウンドを降りた。球場は騒然となった。

 この日の試合には、巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏=ヤンキースGM付特別アドバイザー=がセレモニアルピッチに登場。長嶋さんの次女でスポーツキャスターの長島三奈さんがファーストピッチを務めた。五回終了時には、長嶋茂雄終身名誉監督がグラウンドにサプライズ登場。「4番・サード 長嶋」のアナウンスに、超満員のスタンドも騒然となった。