暖冬の影響で今年は花粉の飛散が早い。また病院通いか、とうんざりするが、今シーズンはリフィル処方せんが便利だ。


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 リフィル処方せんは2022年4月から運用が始まったもので、医師が指定した期間内なら1枚の処方せんを、最大3回まで繰り返し使えるシステムだ。

 元々、生活習慣病など同じ薬を長く服用している人向けのものだったが、昨年10月に政府が示した「花粉症対策初期集中対応パッケージ」内で花粉症の治療についても、リフィル処方せんを積極的に活用するよう明記された。

 前のシーズンで自分に合う薬がわかっている人や、通院の負担がある人は、初診時にリフィル処方せんを希望しよう。再診、再々診は診察なしで薬を処方してもらえる。ただし、処方せんの原本はしっかり保管しておくこと。

 治療薬の中心は第二世代の抗ヒスタミン薬で、最近は飲み薬から貼り薬(!)まで剤型も豊富。また、くしゃみ・鼻水型には鼻に噴霧するタイプのステロイド剤も処方される。

 一般的な薬でも治らない重症〜最重症の方は、ぜんそくの薬として利用されていた注射剤の「オマリズマブ(商品名:ゾレア)」が使える。取り扱える医師や施設が限られるので、注意が必要だ。

 家庭でできる花粉症対策の筆頭は物理的に花粉を遠ざける方法だ。

 新型コロナウイルス対策で身についた「マスク装着」と「手指洗い」で鼻と喉の粘膜を防御するほか、鼻粘膜についた花粉と炎症物質を洗い流す「鼻うがい」もおすすめ。市販の鼻洗浄セットもいいが、毎日のことなので水道水と食塩で洗浄液を自作してみよう。

 鼻にツンとこない生理食塩水濃度(およそ0.9%)で洗浄液を作るには、水1リットルに食塩10グラム(小さじ2杯)を混ぜるだけ。少し濃いめの2〜3%濃度ならウイルス除去も期待できるので、あまり厳密に考える必要はない。

 花粉は鼻の入り口近辺に付着しているため、洗浄液は少量で十分だ。市販の容器を使うなら、柔らかいプラスチックでできたお弁当用の醤油入れで事足りる。鼻にお醤油を注す要領でどうぞ。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)