あまたある沢田研二の曲の中から、いまアンケートをとると、どんな曲が選ばれるのか? 撮影/写真映像部・高野楓菜 協力/歌謡曲BAR スポットライト 新橋

 いまも精力的にライブを続け、歌い続ける沢田研二(75)。4月5日からは2024年のツアーが東京・渋谷から始まる。ツアー開始が間近に迫るいま、「AERA dot.」では、沢田研二の曲の中で最も好きな曲について緊急アンケートを実施。トップ10、リクエストにお応えした11位〜15位の記事に続き、今回は20位までのランキングをお届けする。(アンケートは3月12〜18日、AERA dot.の記事や公式SNSアカウントで実施。2047人が回答した)

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■【15位  晴れのちBLUE BOY 34票】

 15位には「麗人」と同票で「晴れのちBLUE BOY」(1983年5月10日リリース/作詞:銀色夏生 作曲:大沢誉志幸 編曲:大村雅朗)がランクインした。

「当時斬新、今も斬新」(50代・男性)「とにかく洗練されてる。時がたっても色あせない」(50代・男性)「時代を行き過ぎていたのが好き」(50代・男性)などの声が集まるように、あのジャングルビートは、当時の邦楽では聞いたこともないカッコよさがあった。

「作詞 銀色夏生、作曲 大沢誉志幸、編曲 大村雅朗、そしてジュリーのエキゾチックな歌声。最高の楽曲」(50代・男性)

「ご本人はもちろん リズム・音・衣装・メンバーすべてが衝撃的にかっこよかったです」(60代・女性)

 そして、忘れてはならないのは、NHK紅白歌合戦でのパフォーマンスだ。

「紅白歌合戦でのパフォーマンスがいまだに目に浮かびます。ぶっ飛んでました」(70代・女性)

「この曲で出演した紅白歌合戦での歌唱、衣装、パフォーマンスのすばらしさが、数十年たっても脳裏に焼き付いて離れません。あれを超えるものは、わたしのなかではないのです。海外のミュージシャンでレディー・ガガの衣装が話題になったけど、日本にはジュリーがとっくにやりつくしてるし、ジュリーのほうがきれいやと思っていました。今でもその思いは変わりません」(40代・女性)

 この曲で1983年の「第34回NHK紅白歌合戦」に出場し、ライトを埋め込んだ軍服風衣装で圧倒的なパフォーマンスを披露。総合司会のタモリが「歌う日露戦争」と表現したのは紅白史に刻まれている。

■【17位 TOKIO 33票】

 ここにきて、やっと「TOKIO」(1980年1月1日リリース/作詞:糸井重里 作曲:加瀬邦彦 編曲:後藤次利)が登場! 音楽ストリーミングサービス「Spotify」の再生数でも非常に人気が高い曲だ。

「日本が元気だった80年代スタートを象徴する一曲で、いまLiveで聴いても元気をもらえる!」(50代・男性)「気持ちが上がる」(60代・女性)という回答が多いように、いつ聴いても気分をアゲてくれる一曲だ。

 弾けるようなイントロとともにピカピカ光る電飾が施された衣装で背負うパラシュート姿もファンの目に焼き付いている。

「音楽番組などでのギラギラ光るパラシュート衣装に憧れました!」(20代・男性)

「ジュリーのパラシュート姿は忘れられない」(60代・男性)

「壮大な楽曲で奇抜な衣装。当時の私は釘付けでした。スローな曲も良いんですが、テンポもよくリズミカルでとてもジュリーに合った曲だと思います。硬くキーンとした高音が素敵でした」(60代・男性)

 80年代の幕開けを祝うような、曲、衣装、パフォーマンスのトータルでレベルが高い楽曲だ。

2015年の全国ツアーで「TOKIO」の冒頭、ジャンプする沢田研二=東京都千代田区の東京国際フォーラム

■【17位 おまえにチェックイン 33票】

「TOKIO」と同票で第17位は「“おまえにチェックイン”」(1982年5月1日リリース/作詞:柳川英巳 作曲:大沢誉志幸 編曲:伊藤銀次)。曲の冒頭のコーラス部分である「チュルルル」が耳に残る名曲だ。

  沢田研二はどの曲もそうだが、いま聴いても懐メロに陥らず、いま聴いてこそ斬新でかっこいい。そのためか若い世代もとりこにしているようだ。

「お前にチェックインは最初の“チュルル〜”がとても乗れるのと、全体的にもテンポが速くて盛り上がる。歌詞もすごくオシャレで、“モーニングコーヒー湧くまで待つ間に少し後悔 懺悔の時間”の歌詞が好き。同じ大学生の友達とカラオケに行く時にこれを歌うとみんな好きになり、みんなで熱唱できるまでになった」(20代・男性)

 インディアン風の羽根の被り物で歌い踊る姿は最高に盛り上がれる曲のひとつだ。

「リズムと踊り、インディアンの衣装が抜群」(50代・女性)

「バンド仲間と楽しそうにノリノリで歌う姿がかわいすぎる! 特にインディアンの衣装で歌う時がカッコよくてかわいい……」(50代・女性)

「最高にカッコよく、ライブで聞いでノリノリになる曲」(50代・女性)

「TOKIO」同様、誰でも元気になれる一曲だろう。

■【19位 ロンリー・ウルフ 29票】

「ロンリー・ウルフ」(1979年9月21日リリース/作詞:喜多條忠 作曲:大野克夫 編曲:後藤次利)は、派手さが際立つアルバム「TOKIO」の3曲目に収録されている隠れた名曲。この曲を「好きな一曲」に選ぶのはかなりコアなファンだろう。

「隠れた名曲 他にもたくさん有りますけれどね」(50代・女性)

「『OH!ギャル』と『TOKIO』の間に発表されて 渋くて美しいジュリーにほれぼれします」(60代・女性)

 パフォーマンスや衣装に引き付けられたのではなく、楽曲と歌声そのものに魅了された声が多いのもこの曲の特徴だ。

「男女が愛し合う中での温度差。切ない歌詞にこのメロディーライン、哀愁が漂い心に染み入る」(50代・女性)

「切なく悲しくしかし格好いい歌だから」(60代・女性)

「メロディの美しさ、ジュリーの低音も高音も伸びのある声に惹かれます」(70代・女性)

 令和になっても、もう一度じっくり味わってみたいと思える楽曲だ。

■【20位 そのキスがほしい 26票】

 このアンケートのフィナーレを飾るのは58枚目のシングル「そのキスがほしい」(1993年10月20日リリース/作詞:朝水彼方 作曲:SAKI&MATSUZAKI 編曲:吉田建)。

 2008年12月に行われた沢田研二の還暦ライブ「人間60年・ジュリー祭り」の1曲目の曲だけあって、盛り上がること必至の名曲だ。

還暦を迎えての東京ドームコンサートでは80曲も熱唱した。このライブでの1曲目が「そのキスがほしい」。一気にドームが盛り上がった!=08年

「2年前YouTubeでベストテン時代の若ジュリーに沼落ちしたけど、今のジュリー見たら熱冷めちゃうかと恐る恐る還暦ライブの映像見たら、初っぱなこの歌から始まり、年を重ねたジュリーもカッコいいーと感動した曲だから」(50代・女性)

「60歳のジュリー祭りでも昨年のさいたまスーパーアリーナでも一曲目に歌われました。ジュリーが間奏後に『そのキスが欲しい』と歌う部分は、ファンのみんなのピュアな気持ちが会場中にあふれて、空気さえも無くなって真空管の中にいるような感じがします。聞くたびに独特の感覚があり大好きです!」(50代・女性)

「曲の出だしから興奮させてくれる。リズムのノリも良くてジュリーと観客の一体感が素晴らしい」(60代・女性)

「情熱的な歌い方で、熱い恋をジュリーが歌いあげてくれる。聴く側に最高の恋のときめきを与えてくれる」(50代・女性)

 曲に対するファンの思いを聞けば聞くほど、いかに名曲が多いかわかるジュリーの楽曲。4月から始まる2024年ツアーが楽しみでならない。

(AERA dot.編集部・太田裕子)

AERA dot.による「ジュリー・沢田研二の好きな曲」(アンケートは3月12〜18日、AERA dot.の記事や公式SNSアカウントで実施。2047人が回答した)