闘病のため、公務を控えているキャサリン妃(42)が、次男ルイ王子の誕生日に自ら撮影した写真をSNSにアップした。治療が順調に進んでいることがうかがえ、イギリス国民に安堵が広がっている。一方、アメリカ在住のメ―ガンさん(42)も、くじけない姿勢は変わらず。新ビジネスの今後の展開に注目が集まっている。

■ルイ王子の誕生日にキャサリン妃撮影の写真公開

2024年3月10日に公開されたキャサリン妃と3人の子どもたちの写真。術後初めてのキャサリン妃の姿として注目を集めたが、画像に修正を加えていたとして、後日謝罪することになった(The Royal Family/UPI/アフロ)

 3月22日、自ら出演した動画メッセージの中で、がんに罹患していることを公表したイギリスのキャサリン妃(42)。がんの部位やステージは明かさなかったものの、予防的治療として化学療法を受けることなどを話す勇気ある姿は、多くの人の心を打った。バイデン米大統領ら各国首脳をはじめ、世界中からお見舞いのメッセージが寄せられ、キャサリン妃は感謝の手紙を返していると伝えられている。

 ただ、公務は今のところ行っていない。キャサリン妃の治療はうまくいっているのか。体調は大丈夫なのだろうか。

 心配する世界中の“ケイトファン“の心の支えは、ウィリアム皇太子(41)がキャサリン妃の母親キャロルさんとパブ(イギリスの居酒屋)に立ち寄ったり、長男のジョージ王子(10)とサッカー観戦に出かけたりしていることだ。こうしたことは、キャサリン妃が順調に快復に向かっているからこそだと推測できるからだ。

 4月23日は、次男のルイ王子の6歳の誕生日だった。これまで3人の子どもたちの誕生日にはいつも、キャサリン妃が撮影した写真が夫妻の公式SNSにアップされてきた。母親がカメラを向けるので、子どもたちに緊張感がなく、表情がとても自然であると評価が高い。だが、今年はルイ王子の記念写真はないのではないかと心配されていた。がんの治療中であることに加えて、3月10日の「母の日」に合わせてキャサリン妃が公表した家族写真にデジタル加工が指摘され、追い詰められたキャサリン妃が謝罪する事態もあったからだ。

 実際、これまで誕生日前日に出されることが多かった写真は、当日の朝になっても何もなかった。やはり、今回はダメか……。そんな空気が広がる中、午後0時半ごろ、ルイ王子の笑顔の一枚が飛び込んできた。撮影者を示すカメラマークのうしろには、キャサリン妃を示す「The Princess of Wales」の文字。国民は心からほっとした。

2024年4月23日、ルイ王子の6歳の誕生日に、キャサリン妃が撮影した写真が公開された。自然な笑顔に癒された王室ファンは多い(Newscom/アフロ)

 芝生に敷いたブランケットの上に裸足で寝ころび、にこやかな表情を見せるルイ王子。しかも、青と茶色のチェック柄のシャツは、兄であるジョージ王子のおさがりだ。キャサリン妃は子どもたちにおさがりを着せることはよく知られているため、「確かにケイトが戻ってきた」と笑顔が広がった。

■メ―ガンさんは、ヘンリー王子と全く別の動き

2024年2月16日、カナダで開催されたインビクタス・ゲームに出席したヘンリー王子とメ―ガンさん(ロイター/アフロ)

 一方、アメリカ在住のヘンリー王子(39)は、5月8日のインヴィクタス・ゲーム創立10周年記念礼拝のための渡英を「安全が確保されない」としてキャンセルする見込みだった。インヴィクタス・ゲームは、負傷した軍人や退役軍人たちによる国際的なスポーツ大会であり、ヘンリー王子自らが立ち上げた思い入れのあるイベントにも関わらず、だ。

 なぜ「安全が確保されない」のか。ヘンリー王子は、2020年3月の王室離脱後、イギリス滞在中に警護を受けることができなくなっていた。この政府の決定を不服とし、裁判所に申し立てをしていたが、今年2月28日、英高等法院が政府決定に違法性はないと判断を下しているからだ。ヘンリー王子側は控訴する意向だが、「税金をあてにしないで、自前で警備員を雇えば」ともささやかれ、記念礼拝では前もって収録したビデオメッセージを流すとしていた。しかし、それでは設立者の一人として、さすがにまずいと思ったのだろうか。4月28日になって出席を正式発表している。

 メ―ガンさん(42)は、そんなヘンリー王子とは全く別の動きを見せている。今年2月、新ブランド「アメリカン・リビエラ・オーチャード」を立ち上げ、最初の製品としてビン詰めのイチゴジャム50個をインフルエンサーや友人に贈ったのだ。受け取った人たちの何人かは「私の生活が甘くなります」「私はこれを誰にもあげないわ」などユーモアに包んで写真と共にインスタグラムなどに掲載。宣伝効果はまずまず、といったところだが、思わぬところに影響が出た。

 チャールズ国王(75)が約40年前から取り組む私邸ハイグローブ製のオーガニックジャムの売れ行きがメーガンさんのジャム発売を機に急激に上がり、ついに完売したという。メーガンさんのジャムの製法が明らかにされていない今、チャールズ国王のジャムの方が「なにかと安心できる」「売り上げがチャリティ財団に寄付されるのが良い」との声が上がっている。

 デイリーエクスプレス(オンライン)が、同ブランドでは、以前より面接活動をしてCEOを探しているものの「苦戦している」と伝えるなど、順風満帆ではなさそうだが、1年以内に1億円以上の収益を上げると太鼓判を押すアメリカのPR専門家のコメントもあり、今度も目が離せない。

■メディアビジネスにも積極的

 メ―ガンさんは、メディアビジネスにも積極的だ。23年6月に音楽配信大手「Spotify」から契約解除されたものの、新たにポッドキャスト配信会社「レモナダ・メディア」との契約を発表。メ―ガンさんは周囲に「レモナダ・メディアはSpotifyよりも規模が小さいのでコントロールしやすい」と前向きに語っていたという。

 だが、当初「近日」としていた配信予定は、大幅に遅れて来年までの延期が決まった。メ―ガンさんは「出演を待つ著名人の長いリストを持っている」と話していたが、デイリー・エクスプレス(オンライン)は「実際は、スケジュール調整がつかないとして参加希望者が見つからないのが主な理由」と指摘している。

 ネットフリックスの料理番組制作の企画も遅れてはいるが、進行しているようだ。料理番組内では新商品を多数登場させる予定だ。

(ジャーナリスト・多賀幹子)

*AERAオンライン限定記事