いくつになってもときめくフルーツの王様、いえ王女様? 春に食べたい、心惹かれる赤です。

4月のフルーツといえば、やっぱりいちご。
クリスマスシーズンから目にしますが、春を知らせる赤い実、皆が惹かれますよね。

20年ほど前、パリで、いちごのスープのデモンストレーションを見ました。
ガリゲットという品種は切っても中は全て赤。
他の果物と一緒に煮て、冷やして供されるデザートスープ。
真っ赤な中にいろんな味が顔を出す、見た目も香りもいい一品でした。


しばらく経って、作ってみたのですが…
どうしても赤いスープにならない。あんずピューレの黄色いままです。
それに熱すると色が抜けて白っぽく、可愛らしい形もなくなってしまいます。

パリの料理学校に留学していた友に聞いてみました。
「あれはフランスのいちごだからだと思う。
 中まで真っ赤で、煮ても色が抜けないの」
そこから強い果汁が染み出して、スープが赤くなるようです。

強い色と香りは、優しい日本産とは全く違います。
原種、野生種に近いフランス産ってすごい!
黄色いスープも美味しいけれど、やはり真っ赤な迫力には敵いません。


4月、夫の誕生日にショートケーキを作るたびに思い出します。
ギュッと詰まって弾けるような赤。
多分もうお目にかかれないけれど、会いたいなあ。
いちごにはやっぱり魔力があるみたいです。



yako