「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」の予選2日間で恒例のルーキーキャンプが行われた。昨年と一昨年のプロテストに合格した選手のうち19人が参加。キャリングボードやフォアキャディー、ドライビングディスタンスの計測など、裏方の仕事を経験した。

間近でちゃっかりプレーのヒントも

◆国内女子プロゴルフ<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 5月2〜5日 茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県) 6665ヤード・パー72>

 1996年から新人教育の一環として行われているルーキーキャンプ。以前は日本女子プロゴルフ選手権大会で行われたが、昨年から「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で実施されている。対象者は前年度のプロテストに合格した新人選手だが、一昨年に合格した選手でも諸事情で参加できなかった選手は対象者となる。

ルーキーキャンプに参加した2023年プロテストトップ合格の清本美波(右)と22年合格者のパク・ジヘ
ルーキーキャンプに参加した2023年プロテストトップ合格の清本美波(右)と22年合格者のパク・ジヘ

「大会運営の裏方を経験し、いかに多くの人に支えられて大会が成り立っているのかを知ることが目的です」(JLPGA広報)

 大会初日と2日目に19人がキャリングボード、フォアキャディー、ドライビングディスタンス計測に分かれて業務を行った。聞けば、朝4時に起床し、ホテルを5時に出発。コースには6時に到着し、夕方18時まで働き続けるなかなかハードなスケジュールではある。

 昨年のプロテストでトップ合格を果たした清本美波は、初日にドライビングディスタンスの計測とフォアキャディー、2日目にキャリングボードを担当。2日目の業務を終えた後に話を聞くと、「キャリングボードをしっかりとギャラリーの皆さんに見えるようにしつつ、選手の邪魔にならないか気を遣いながら歩いていました」と振り返った。仕事の大変さと普段からその業務を行っているボランティアに対するありがたさが身に染みたようだが、それだけでもJLPGAの狙いは成功したといえるだろう。

 もっとも、単にスコアボードを持ってロープ際のラフを歩いていたわけではない。「パッティングのルーティンとか見ていましたが、違和感があったときはスロープレーにならない程度に仕切り直しをしたりと、全体的に余裕を持ってプレーしていると感じました」。いきなりトッププロと同じように新人がプレーすることは難しいが、何かヒントをつかんだことは確かなようだ。

ペアを組んだ2023年合格の神谷和奏(左)と政田夢乃
ペアを組んだ2023年合格の神谷和奏(左)と政田夢乃

 また、ママさんルーキーの神谷和奏も「こういうケースではこう攻めるんだとか、マネジメントでも学べるところがあったので来て良かったです」と、笑顔を見せた。

 その神谷とペアを組んでキャリングボードを持った政田夢乃は「風にあおられてしまい、後ろにひっくり返りそうになり、ギャラリーさんにボードが当たりそうなりました」と、慣れない仕事に戸惑いを隠せなかった。それでも、ラウンド後は神谷とともにちゃっかり担当した選手からボールをもらうなど、エンジョイすることも忘れていなかった。

山西英希