グランツーリスモ好きな息子がスバル車を猛烈プッシュ

 息子がきっかけで熱烈なスバリストになった浅沼克弘さんは、それまでは興味が無かったスバル車を購入したことで、イベントなどにも積極参加することでカーライフを謳歌(おうか)している。そんな浅沼さんのスバルとの付き合い方にスポットを当ててみた。(取材・文=土田康弘)

「以前は大型ミニバンに乗っていたんですが、クルマを乗り換えることになって家庭でもその話をしていたんです。すると当時高校生だった息子がスバル車を熱心に推してきたんです」

 息子は小学生の頃からゲームのグランツーリスモに熱心で、その影響からレーシングカーが大好き。中でもスバルWRXが一番好きな車種になっていたという。ゲームをきっかけにしてクルマ好き・スバル好きになった息子は、浅沼さんの次期購入車種に強い興味があったようだ。

「私はミドルサイズミニバンを買おうと思っていたんですが、息子は“そんなかっこ悪いデザインのクルマはやめてほしい”と言い始めたんです。そこまで言うならばと一度スバルのディーラーに行ってみることにしたんです」

 浅沼さんは試しに息子と妻を連れて3人でスバルディーラーを訪れることにした。すると高校生の息子はスバルの車種やその特徴を熟知しているようで、ディーラーでの車種選びは浅沼さんよりもむしろ息子がリードすることになる。そうしてスポーティーであることと同時に浅沼さんが外せなかった広さも兼ね備えつつ、デザイン性も納得するレヴォーグを購入することになった。

「息子の影響で思いもしなかった車種を購入することになったのですが、購入したSTI Sport EXは1800cc AWDで走りもすごく良くって気に入ったんです。でも、このクルマへの乗り換えはクルマの良さだけじゃなくて、私の新しいカーライフの始まりだったんです。購入したディーラーではスバル関係のイベントやレースのパブリックビューイングなどの案内をたびたびくれるんです、それがこんなに楽しいものだとは最初は思ってもみませんでした」

レヴォーグに乗り始めるとスバル系のイベントに魅了される

「息子もレース系のイベントに興味があったのでスバルのディーラーから誘われるままにいくつかのイベントに行くことにしたのですが、何度か行くうちに自分の方がすっかりハマってしまったんです。イベントではレースを走ってる有名ドライバーやチーム関係者の話が聞けたり直接話す機会があってワクワクしました。久保凜太郎選手もその1人で、何度もイベントに行く中でファンになりました。そのうち妻も来るようになって家族3人で楽しんでいます。選手やスタッフのサインをもらうのも楽しみになっています」

 ミニバンに乗っていた頃はドライブや買い物に出かける程度のごく普通のクルマとの付き合い方だったが、レヴォーグに乗り換えてからはイベントに出かけることや、同じブランドのレーシングカーを応援することの楽しさが芽生えてきたとか。

「ニュルブルクリンク24時間耐久レースのパブリックビューイングにも行ったのですが、レースを見ているだけではなくコースの説明があったり、いろんな楽しみ方があることを知りました。それが自分の乗っているスバルのクルマだというのも気分が盛り上がりますね。スバル車を買ってそんな世界を体験できたのはすごく良かったと思っています」

ついにはサーキットデビューまで果たし人生観が変わる

 そんな好きが高じて、浅沼さんはついにはサーキットデビューまで果たした。スバル車が参加できるSTIサーキットドライブと呼ばれる走行会に参加することにした。

「レーサーの横に同乗してサーキットを走っただけでも感動だったのに、自分のクルマでサーキットを走ると気持ち良かったです。愛車のレヴォーグは特別サーキット用にパーツを替えたりしていない普段のままなんですが、十分に楽しめます。でも走ってみるとライン取りとか難しいところも多くて、また新しいクルマの楽しみ方を見つけた感じです」

 浅沼さんにスバル車を強烈プッシュしてきた息子は、高校を卒業すると大好きなクルマ関連の仕事に就くため、現在自動車整備関連の専門学校に入学。そして念願の愛車(スバルBRZ)も購入、ガレージにはレヴォーグとBRZが並んで止められている。

「息子が整備士になったら私のクルマを整備してもらうのが目標ですね。クルマを乗り換えるだけでこんなにも生活が変わるとは思ってもいませんでした。大げさではなく人生観が変わったんです。それまでは休日も家でゴロゴロしていたのが一変してアクティブな生活に変わったのを実感しています。家族で楽しめるレジャーもできたし、いろんな意味で生活を変えてくれたクルマになりました」と浅沼さんは結んだ。土田康弘