福島県内主要な企業の決算で、流通や外食産業では売り上げが好調ですが、円安などを背景に企業にとっては難しいかじ取りが続きそうです。

スポーツ用品などを扱う「ゼビオホールディングス」の2023年度の連結決算は、売上高が2424億あまりと過去最高となりました。

一方、最終的なもうけを示す純利益は25億円9000万あまりで「増収減益」となりました。

外食産業も売り上げが伸びていて、幸楽苑ホールディングスの連結決算は、前期を13億3900万円上回る268億円で、純利益=9400万円の黒字となりました。

好調な業績を支えているのが、新型コロナの5類移行です。

ゼビオホールディングスは、行動制限が緩和されたことで、部活動やスポーツイベントが正常化され、スポーツ用品の需要が回復したことなどを背景にあげています。

旅行需要も高まっていますが、そういう時に「シューズやバッグを新しく買って旅行に行く」そんな人もいたかもしれません。

2024年はオリンピックイヤーと、スポーツ市場にとっては追い風ですから、売り上げはさらにのびると見込んでいます。

一方で、経営に重くのしかかっているのが、「円安」やエネルギー価格の高騰、それに物価高です。

幸楽苑ホールディングスは、2期ぶりに黒字を確保しましたが、原材料費や人件費が高騰するなか、メニューを見直したり、採算の取れない店舗を撤退するなどして、利益を確保しました。

円安も、見方を変えれば、インバウンド獲得の好チャンスともいえますが、ウクライナや中東情勢の不安定化もあり、物価高騰の波の先行きが見通せず、その影響が大きいとみられています。

そのうえ、賃金があがらなければ、個人消費はより落ち込んでしまうため、企業には難しいかじ取りが続きそうです。

「成長と分配の好循環」が達成できるのか、金融や経済政策も含めた今後の動きにも注目です。