2024年4月、新年度がスタートしました。新卒として就職した方はもちろん、前年度に比べて昇給した方は、お金の使い方を見直す良いタイミングです。   また、給与の金額が変わらなかった方や、逆に減ってしまった方も、定期的に家計を見直すことは大切です。今回は、新年度に見直したいお金の管理方法を紹介します。

毎月の収入を確認

まずは、毎月の収入をチェックします。就職した方や昇給した方は、手取りの金額が具体的にいくらなのか、必ず確認するようにしましょう。
 
なお、昇給しなかった方も、2024年6月から、手取りの金額が増える可能性があります。これは、2024年6月から実施される「定額減税」によるものです。
 
税制改正により、2024年度は、国民(2024年分の所得税・個人住民税に係る合計所得金額が1805万円以下である場合に限る)の所得税や住民税が、1人につき合計4万円減額されることになりました。
 
そのため6月分の給与からは、源泉徴収される税金の額が減り、手取りの金額が増える予定です。昇給や定額減税により、どのくらい手取り額が増えているのか、確認しておきましょう。
 

毎月の支出を確認

収入を確認したら、支出についても同様にチェックします。食費や光熱費など、どの費目にいくらくらい使っているのか、できれば詳細な内容を確認するのがおすすめです。支出の情報を見れば、無駄遣いをしている費目や、逆に節約できている費目を確認することができるでしょう。
 
なお、転居などをして、新年度から生活に変化が生まれた人は、支出も大幅に変わっている可能性があります。前月や前年度の支出額が分かっている方は、最新の支出額と見比べて、ぜひチェックしてみましょう。
 

毎月貯蓄する金額を見直す

増えた収入分を全て消費に使っては、貯蓄を増やすことができません。手取りが増えた分について、できるだけ毎月の貯蓄額を増やすことを検討してみましょう。
 
おすすめは、毎月給与が振り込まれた段階で、貯蓄する分を別の口座に移してしまう「先取り貯蓄」です。手取り金額が増えた場合、先取り貯蓄をする金額も増やしましょう。
 
また、銀行の自動振り込み設定等を利用している場合は、振込金額を変更する必要があります。少しおっくうに感じるかもしれませんが、収入が増えるたびに貯蓄する金額も増やしていけば、よりハイペースにお金をためることができます。ぜひ時間をとって手続きを行いましょう。
 

資産運用にも挑戦

さらに、増えた貯蓄のうち一定額を資産運用に回す、という方法もあります。リスクが比較的少なく、手間やコストがかからない長期的な資産運用を行えば、今ある貯蓄を大きく増やすことができる可能性があります。
 
最近では、非課税で投資をすることができるNISA(少額投資非課税制度)を活用したり、将来の老後資金を自分で積立運用するiDeCo(個人型確定拠出年金)を使ってみたりと、資産運用に積極的に挑戦する方もいます。まだ資産運用をしたことがない人は、ぜひ検討してみましょう。
 
初めのうちは、運用する金額が1万円以下などの少額でも問題ありません。慣れてきたら運用資金を増やしていけばよいでしょう。
 
そして、毎月の生活に支障が出ないように、投資する金額は、手取り金額の2〜3割くらいとすることが目安です。例えば、手取りが30万円の人の場合は、月6万円くらいがよいでしょう。毎月の生活資金の3ヶ月分くらいは貯蓄しておき、その他の余剰資金で資産運用を行いましょう。
 

まとめ

春から給与がアップし、増えたお金を何に使おうかと楽しみにしている方は多いかもしれません。
 
しかし、いくら収入が増えたとしても、計画的に使わなければ、いつの間にか昇給分を使い切ってしまっているケースはよくあります。今回紹介した内容を参考にしながら、新年度からのお金の収支や貯蓄額を見直してみましょう。
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者