国家公務員は、総務省や外務省、経済産業省などの省庁や、国会・裁判所などで働く、国の業務に従事する公務員です。 そんな国家公務員の退職金いくらなのか、気になる方もいるでしょう。 一般的に退職金は勤続年数が長いほど多くなるといわれています。 この記事では、国家公務員の勤続20年・25年・30年における退職金と、民間企業の退職金との比較もしていきます。
国家公務員で勤続30年の退職金はどれくらい?
内閣官房によると、国家公務員の退職手当は「職員が継続勤務して退職する場合の勤続・功労報償を基本的性格としており、国家公務員退職手当法に基づき、支給されている」とのことです。
内閣官房内閣人事局が集計した令和4年の退職手当の支給状況によると、勤続30年〜34年の国家公務員における退職金の平均は2045万7000円となっています。
令和4年中に退職した国家公務員の勤続20年〜39年の退職手当平均支給額は表1の通りです。
表1
勤続年数 | 退職手当平均支給額 |
---|---|
20年〜24年 | 1113万6000円 |
25年〜29年 | 1633万8000円 |
30年〜34年 | 2045万7000円 |
35年〜39年 | 2368万3000円 |
※内閣官房内閣人事局「令和4年度退職手当の支給状況」を基に筆者作成
平均して勤続20年で1000万円以上、勤続25年で1600万円以上、勤続30年を超えると退職金は2000万円以上となり、勤続20年と勤続30年ではその差はおよそ1000万円にも及ぶことが分かります。
定年・応募認定・自己都合などの退職理由により金額は異なりますが、勤続年数が長くなるほど退職金も増えていくといえるでしょう。
民間企業で勤続30年の場合退職金はいくら?
続いて、民間企業における退職金の平均を見てみましょう。
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、令和4年1年間の民間企業における勤続20年、25年、30年の退職金の平均は表2の通りです。
表2
勤続年数 | 大学・大学院卒 (管理・事務・技術職 |
高校卒 (管理・事務・技術職) |
高校卒 (現業職) |
---|---|---|---|
20年〜24年 | 1021万円 | 557万円 | 406万円 |
25年〜29年 | 1559万円 | 618万円 | 555万円 |
30年〜34年 | 1891万円 | 1094万円 | 800万円 |
35年以上 | 2037万円 | 1909万円 | 1471万円 |
※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」を基に筆者作成
表2は、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者を対象にしています。
学歴やそのほかの条件により退職金は異なると考えられますが、勤続年数が増えるごとに退職金が増えていく点は国家公務員と同じといえるでしょう。
勤続20年、25年、30年いずれにおいても国家公務員のほうが退職金の平均額は多いことが分かりました。
国家公務員勤続30年の退職金はおよそ2000万円|勤続20年・25年・30年いずれの場合も民間企業よりも退職金の平均額は高い
国家公務員の勤続30年の退職金は、2000万円を上回ることが分かりました。
勤続20年では1000万円、勤続25年では1600万円を上回ります。
勤続20年と勤続30年では、その差はおよそ1000万円にも及びます。
勤続20年以上の退職金の平均額は、国家公務員のほうが民間企業よりも多いことが分かりましたが、勤続年数や退職理由などにより退職金額は異なるでしょう。
出典
内閣官房内閣人事局 給与・退職手当 国家公務員の退職手当
内閣官房内閣人事局 退職手当の支給状況 令和4年度 表2 勤続年数別退職手当受給者数及び退職手当平均支給額(2ページ)
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況 結果の概要 4 退職給付(一時金・年金)の支給実態 (3) 退職給付制度の形態別退職給付額(定年退職者) 第23表 退職給付(一時金・年金)制度の形態別定年退職者1人平均退職給付額(勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の定年退職者)(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー