近年の外食業界では、世界情勢に対応すべくほとんどの飲食店が値上げを行っています。大手ファストフード店として親しまれているマクドナルドも、度々値上げがみられ、気軽に行けなくなりました。しかし、アメリカでは日本の倍の値段でバーガーが売られています。各国の通貨の購買力がわかるといわれているビッグマック指数によると、日本は下位です。マクドナルド以外のお店でも日本の倍の値段で商品が売られているため、私たちがアメリカに行くとまず物価が高いことに驚くでしょう。   今回はマクドナルドのハンバーガーの値段の歴史と、ビックマック指数からわかる日本について紹介します。日本の現状を把握することで、値上げにも落胆しなくなるでしょう。

ハンバーガーは昔の方が高かった?過去最高価格は210円!

2024年現在、マクドナルドで販売しているハンバーガーの価格は170円です。値上がりしているように見えますが、実は昔も170円で提供していました。
 
日本でマクドナルド第1号店がオープンしたのは1971年で、場所は銀座三越です。ハンバーガーは当時の日本人にとって未知の食べ物でしたが、すぐに人気となり店舗が増えていきました。
 
当初のハンバーガーは80円でしたが、徐々に値上りをして1979年には現在と同様の170円になりました。バブル景気目前の1985年には過去最高価格の210円に達し、バブル崩壊後の1995年には130円まで大きく値下げしています。
 
2002年にはオープン当初の80円に戻り、期間限定価格の59円という通常より安い時期もありました。その後、2007年に100円代に上がってから10年以上100〜120円を維持しています。しかし、2022年以降は新型コロナ感染拡大などの世界情勢により原材料価格の高騰や人件費、物流費などの上昇を受けて、何度も値上げがされています。
 
Z世代・α世代の方は、ハンバーガー170円が過去最高価格だと思っているのではないでしょうか。210円が過去最高価格ですが、現在の値上がり方を見ると、価格を更新するのもそれほど遠くはないと思います。
 

ビッグマック指数でわかる日本の現状

アメリカでも日本でも人気のバーガービッグマックを使ったビックマック指数をご存じでしょうか。ビックマック指数とは、マクドナルド本社を構えているアメリカを基準に、ビッグマックの価格を比較して各国の通貨の為替レートが適正に評価されているか測定する指数です。ビッグマックは世界共通の商品で、どこの国でもコストは変わらないためアメリカの通貨と等しい価値の値段になると言われています。
 
statistaの調査によると、2024年1月時点でアメリカのビッグマックは5.69ドルに対し、日本のビッグマックは480円となっています。つまり5.69ドル=480円、計算すると1ドル=84円が本来の適正な為替です。しかし、実際の為替は2024年4月時点で1ドル151円となっています。
 
ビッグマック指数でみると、円の価値はドルより1.7倍も低い円安状態になっていると言えます。また、各国の通貨の購買力を把握できるビッグマック価格ランキングによると、2024年1月時点で日本は中国や韓国よりも順位が低く、対象国53ヶ国中43位と下位に位置します。これは日本の物価水準が低いことになります。
 

値上げは評価されるべき!

日本は現在、給料が上がっていないにもかかわらず物価が上昇している状況です。 しかし、物価の上昇に伴って、企業の業績が拡大すれば、働き手の給料が上がります。そして給料の上昇とともに消費を増やしていけば、企業の業績がさらに拡大する好循環が生まれます。国の経済が活発になり好景気に繋がるのであれば値上げは私たちにとって正しい手段といえます。消費者も世の中の動きに目を向け、判断するようにしましょう。
 

出典

日本マクドナルド 
50年の歴史
statista 
ビッグマック指数2024年
日本経済新聞 
為替・金利
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー