授業料や教科書代の負担がない公立の小学校であっても、文房具などの学用品やクラブ活動費用、修学旅行費用の積み立てなど意外とお金はかかるものです。PTA会費もその1つ。しかし、学用品費や給食費などと違って本当に支払いが必要なのか納得できず、できるなら払いたくないと考える人もいるでしょう。   本記事ではPTA会費の支払いは必須なのか、払わない場合はどうなるのかを解説していきます。

PTA活動とは

PTAとは学校と地域が連携して子どもたちのために活動する団体で、保護者(Parent)と教職員(Teacher)によって組織されます。
 
会員の中から選ばれた役員が活動や行事ごとの担当となり、分担しながら運営するのが一般的です。子どもが在学中に一度は役員を経験しなければならないという決まりがあるところも多いでしょう。
 
具体的には以下のような活動を行っています。
 

・毎朝の通学の見守り
・運動会など学校行事運営の手伝い
・ベルマーク収集
・バザーの運営

 
自分が加入するPTAの活動について詳しく知りたい場合は、PTAが発行する広報誌などを見てみるといいでしょう。
 

PTAの加入・PTA会費の支払いは強制ではない

PTAはあくまでも任意団体です。PTAに強制入会させられることや自動入会の措置が取られることは好ましくありません。
 
例えば千葉市PTA連絡協議会は「PTA未加入に関する考え方(例)」において「PTAは任意加入団体であるので、入会を強制しない」と明記しており、「入会にあたっては、原則として入会申込書を提出してもらう」としています。
 
つまりPTAに加入しないという選択も可能で、加入しないのであればPTA会費を払う必要はないのです。
 

PTA会費を支払わないことへのデメリットは?

会費を支払わない世帯、つまりPTA未加入世帯の子どもを区別するPTAもあるようです。
 
例えば未加入世帯の子どもには卒業・進学記念品を渡さない(もしくは実費徴収する)、バザーなどPTA主催のイベントに参加させない、登校班から外すといったものが挙げられます。自身の学校のPTAがどういった対応を取るのかを事前に確認し、自分の子どもが不利益を受けないような対応が必要です。
 
ただし全国PTA連絡協議会は、区別を望ましくないものとしています。PTAは保護者と教職員で構成される団体であり、子どもは会員ではありません。PTA活動は学校に通う全ての子どもに対して平等であることを求めています。
 
したがってPTA会費を支払わないことにより子どもが不利益を被る場合は、PTAや学校に相談し、適切な対応をしてもらいましょう。
 

本当にPTA会費を払わなくていいか整理しよう

ここまでPTAへの加入や会費の支払いは強制ではないこと、会費の未払いやPTA未加入であることを理由に子どもに不平等な扱いができないことを解説しました。
 
しかし、PTA会費や活動が子どもの利益につながっているのは事実です。PTAがなければ子どもたちが安心して登下校できなかったり、運動会など学校行事の運営を助け合う仕組みや子どもが楽しめるイベントがなくなってしまったりといったこともあるでしょう。中にはAEDの設置費用を賄っているPTAもあり、PTAの存在によって自分の子どもの命が救われるかもしれません。
 
実際に多くのPTAは子どもにとって有意義な活動を行っています。PTA会員が少なくなると、これらの活動が滞り教員の負担増や子どもの不利益につながる可能性があります。
 
PTAに加入せず、PTA会費の支払いをしないことも可能ですが、PTAの活動意義を考えてからでも遅くないはずです。「もったいないから払わない」ではなく、まずはPTA会費の使われ方やPTAの活動内容を考えてから、支払うか支払わないか決めてみてはいかがでしょうか?
 

出典

公益社団法人 日本PTA全国協議会 はじめましてPTA
一般社団法人 全国PTA連絡協議会 PTA未加入世帯の対応
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士