自分の子どもが不登校になってしまったとき、通信学校を検討する方もいます。   そこで本記事では、通信学校のメリットや入会金、授業料などを紹介します。不登校でも子どもに学びを続けてもらいたいと考えている方は、通信学校の利用も視野に入れましょう。

不登校の定義

不登校とは、何らかの心理的・情緒的・身体的または社会的要因・背景により、登校しない・したくてもできない状況になり、年間で30日以上欠席することを指しています。また病気や経済的な理由による欠席は該当しません。
 

中学生の不登校者数

日本における不登校の中学生の人数は、表1の通りです。
 
表1

年度 不登校生徒数
令和4年 19万3936人
令和3年 16万3442人
令和2年 13万2777人
令和元年 12万7922人
平成30年 11万9687人

「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」を元に筆者が作成
 
中学生の不登校者数は年々増加傾向にあり、令和4年度には20万人近くにまで増えています。不登校となった理由としては、友人関係の問題や学校に対する不安などが挙げられています。
 

不登校なら通信制の学校も検討する

もし子どもが不登校になってしまったらどのように対応すればよいか不安に感じている方も多くいます。ケアを行って学校に復帰できれば安心できるでしょうが、難しい場合は通信制の学校も視野に入れましょう。
 

受け入れ体制が整っている

通信制の学校ならば、不登校の子どもの受け入れ体制が整っています。またさまざまな事情がある子どもが多く通っているため、幅広い人々が学べる環境が整っていると考えられるでしょう。学校によっては、専門のカウンセラーが常駐していたり、不登校に関する悩みを相談できる窓口を設置していたりします。
 

自分にあった登校頻度で通える

通信制の学校は毎日登校する必要がなく、基本的に自学自習で勉強を進めます。そのため、全日制のように毎日学校に通う必要がありません。自分に合った登校頻度で利用できるため、どのような生徒でも通いやすい環境といえるでしょう。
 

同じ悩みをもつ仲間に出会える

通信制の学校には、さまざまな悩みや事情をもつ生徒が通っています。学校に馴染(なじ)めず不登校になってしまったりいじめにあっていたり、自分の子どもと同じ気持ちを抱えて葛藤している生徒もいるでしょう。そのため、子ども同士が共感しあい、親近感を覚えやすい環境といえます。
 

中学生の通信学校の学費

通信学校を検討する際、気になる項目の一つが学費です。子どもが自由に学べる環境を整えたいと考える親は多いでしょう。しかし、学費がかさめば継続的な利用が難しくなってしまいますので、学費について解説します。
 
通信学校では、一般的に入会金と授業料の2つの費用が発生します。文部科学省の調査によるとそれぞれの費用と割合は、表2の通りです。
 
表2

授業料 割合(%)
5000円以下 9.5
5000円以上・1万円以下 5.7
1万円以上・3万円以下 38.2
3万円以上・5万円以下 36.3
5万円以上 10.3

「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」を元に筆者が作成
 
授業料は、1万〜5万円の間で設定している施設が多く(表3)、平均額は約3万3000円/月です。
 
表3

入会金 割合(%)
5000円以下 13.9
5000円以上・1万円以下 18.6
1万円以上・3万円以下 31.4
3万円以上・5万円以下 18.0
5万円以上・10万円以下 5.7
10万円以上 12.4

「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」を元に筆者が作成
 
入会金は、1〜3万円の間で設定している施設が多く、平均額は約5万3000円/月です。
 

不登校なら通信学校も視野に入れよう

子どもが不登校になってしまい、なかなか学校に復帰できない場合は、通信学校の利用も検討しましょう。通信学校ならば、自分のペースで登校し勉強を進められるうえに、同じような境遇の子どももいると考えられるため、子ども同士が親近感をもてるでしょう。
 
通信学校へ子どもを通わせるためには、入会金や授業料が必要です。施設によって金額は異なるため、通信学校の利用を検討している方は、事前にかかる費用をチェックしておくと良いでしょう。
 

出典

文部科学省
不登校の現状に関する認識
文部科学省
令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
文部科学省
小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー