近年高齢化が進み、「令和5年版高齢社会白書(全体版)」によれば、令和4年に65歳以上の人口は総人口の29.0%に達しているとのことです。つまり、日本の人口の約3割の方が高齢者であるともいえます。   そのようななか、それまでの知識や経験を生かして定年後も働いて収入を得たいとお考えの方もいるでしょう。年金が十分にもらえる見込みが無かったり、十分な貯金ができていなかったりする方ならなおさらのことだと思います。   本記事では、シルバー人材センターについて紹介しつつ、定年後の働き方について解説します。定年後も自分の得意なことを生かして働きたい、やりがいを得たいという方はぜひ参考にしてください。

シルバー人材センターで収入を得られるシステム

シルバー人材センターは、基本的に市区町村の単位で設置されています。なお、公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会によれば、その基本的な機能や役割は以下の通りです。
 

・定年後の高年齢者に合わせた、臨時的かつ短期的またはそのほかの軽易な業務の提供
・地域への社会参加を通じた、高年齢者の生きがいづくりに貢献する

 
シルバー人材センターでは、都道府県や企業、各家庭などから仕事を受注し、それをシルバー人材センターへ入会している会員へ紹介します。
 
そのため、仕事を得るには、あらかじめ会員になっておかねばなりません。会員になるには、原則60歳以上で働く意欲があり健康である、シルバー人材センターの趣旨に賛同できるといった条件を満たす必要があります。
 
また、入会前の説明会に参加し、申込書を提出したり、会費を納入したりする必要もあります。会費は、それぞれの市区町村によって異なり、1200円〜3500円とさまざまです。
 
もし会員になって就業機会を得たいとお考えの場合には、まずはお住まいの市区町村に設置されたシルバー人材センターへ問い合わせてみましょう。
 

実際の収入はどれくらい?

同協会によれば、月に8〜10日働いた場合の全国平均は月額3〜5万円程度とのことです。それぞれの会員の得意分野や受注可能な日数は違うため、収入は一定ではありません。
 
また、シルバー人材センターの会員になることで、宿泊施設の割引特典も受けられます。会員特典を活用することで、実費負担をおさえながらリゾートホテルやビジネスホテルへ宿泊が可能です。
 

シルバー人材センターでの収入は人によるが、月に8〜10日働くと収入は3〜5万円ほど

シルバー人材センターで働く場合には、決まった報酬はなく、受けた仕事の分だけ収入が得られる形です。月に8〜10日働くと、およそ3〜5万円の収入が得られるようです。
 
希望する収入に見合った働き方か検討し、場合によってはシニア向けの転職サイトなどを利用するのもよいでしょう。その場合でも、自分自身の分野を活かして働ける可能性があります。自分にあったやり方で仕事を探すのが重要だと言えます。
 
さらに社会への貢献や、得意分野を生かして働き、収入ややりがいを得ることで心身にもよい影響を与えることが期待されます。ご希望に添った仕事が見つかるよう、お住まいの地域の情報を確認しましょう。
 

出典

内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)1 高齢化の現状と将来像
公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会 シルバー人材センターとは
公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会 入会を希望される方は
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー